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中国トップ選手の集団ボイコットで卓球大国に激震

6/28(水) 14:51配信

テレビ東京スポーツ

 四川省成都市で開催されたITTFワールドツアー「中国オープン」が25日、全日程を終了した。中国のトップ3選手が母国開催でまさかの途中棄権。男子シングルス1回戦で張本がリオ五輪4位のサムソノフ(ベラルーシ)をフルゲームで破り、翌日の2回戦は世界卓球で敗れている世界ランク3位の許キン(中国)が相手だったが事件は起きた。

【卓球・中国OP】中国男子が集団ボイコット、日本は男子ダブルス優勝

 世界ランク1位の馬龍、同2位の樊振東、同3位の許キンの3選手が試合時間になってもコートに現れず、突如棄権するという、前代未聞の集団ボイコットが勃発したのだ。

 騒動の背景には中国オープンが開幕した20日、国家チームの劉国梁総監督が退任し、CTTA(中国卓球協会)の副主席(副会長)に就任するという人事発表に対し、選手たちが抗議活動を起こしたと伝えられている。劉国梁総監督は五輪の金メダリストで中国の英雄。2003年から男子チームの監督として手腕を発揮し、今春には国家チームの総監督となって選手やコーチ陣から厚い信頼を得ているといわれていた。にもかかわらず、就任からわずか3カ月でいきなり指導の現場を離れるという事態に不服の声が上がり、前述の3選手に加えコーチ2人がCCTAに反旗を掲げたと見られている。

国際卓球連盟が処分を発表、事実関係の調査にも着手

 ITTF(国際卓球連盟)主催のワールドツアー中に起きた異常事態に同連盟は25日、騒動を起こした馬龍、樊振東、許キンの中国オープンにおけるシングルス1回戦とダブルス準決勝までの成績を取り消す処分を下した。同時にCTTAに対し、詳しい事情調査を依頼。調査書を速やかに提出するよう求めている。また、中国国内でもCTTA並びに中国のスポーツを統括する国家体育総局が3選手とコーチ2人に対し、事実関係の確認と厳正な処分を命じるとの声明を出した。

 一説には、劉国梁総監督の退任は組織内の権力争いが絡んでいるともいわれるが、真相はまだ明らかにされていない。ただ出場選手やファン、スポンサーなどの関係者に多大な影響と損失を与えたことは事実だろう。今回、ボイコットに踏み切った3選手の立場を思えば、選手生命を懸けた一大決心だったと同情の声もあるが、リオ五輪代表を逃した20歳の樊振東などは、2020年東京大会で五輪初出場を狙う若手である。選手層の厚い中国での激しい競争を考えれば、他に方法はなかったものかと各方面から落胆の声も上がっている。

(文=高樹ミナ)

テレビ東京