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ブラックからホワイト企業へ。人手不足が“雇用の質”を競う

6/28(水) 11:30配信

ニュースイッチ

中小企業には大きなチャンス

 人手不足が深刻化している。しかし自動化と人や機械が繰り返しつながる「コネクテッドインダストリーズ」は、その解決策になる。その果実を受け取るのは大企業ばかりではなく、むしろ中堅・中小企業だ。経営共創基盤の冨山和彦社長は「知識集約型の産業構造では、雇用数は少なくなっていく。日本はこれから中堅・中小企業社会になる」と話す。

<ものづくり白書から見えてきたこと>

 今年6月、経済産業省が発表した「ものづくり白書」の2017年版。「わが国ものづくり企業の主要課題は、付加価値の創出と最大化、および人手不足が顕在化する中での現場力の維持と向上だ」。世耕弘成経済産業相は17年版白書の根底に流れる問題意識を、こう表現する。

 経産省が白書に記したアンケート結果では、今後3年間で収益が「増加する」と答えた企業が比較的多く、見通しは悪くない。興味深いのが、アンケート結果から見える人手不足対策の考え方だ。今後必要な取り組みについて、4割超の企業がITやロボットの活用と回答している。

<データで働き方改革>

 白書ではIT活用や人材育成などの優良事例も何社か紹介している。例えば、各種自動車部品を手がける旭鉄工(愛知県碧南市)。同社はスマートフォンを用い生産状況を可視化できるシステムを実用化した。

 従来は従業員がラインの稼働・停止時間などを記録していたが、作業の自動化により負担を軽減。労働時間、休日出勤を削減し、職場環境改善につなげている。また、複数ラインの状況を正確に把握できるようになったことも成果だ。

 HILLTOP(京都府宇治市)は24時間無人稼働できる加工システムを用いることで、より付加価値の高い仕事に人を配置している。働き方を改革し若手を採用しやすくすることが目的。職人技をデータ化、デジタル化することで、完全自動化を可能にした。

 人はデザイン、プログラミングなど知的な業務に専念する。短納期と小ロット対応を売りとしながらも、残業や休日出勤が少ない点も特徴だ。また、事務所はデザイン性を重視した内観にし、下請けの町工場という過去のイメージを払拭(ふっしょく)した。

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最終更新:6/28(水) 11:30
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