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藤井効果、千葉県内に将棋熱 教室に問い合わせ殺到 歴史的快進撃が好影響

6/28(水) 9:45配信

千葉日報オンライン

 最年少棋士、藤井聡太四段(14)が26日、公式戦の新記録となる29連勝を達成した。歴史的快進撃を続ける天才に影響され、千葉県内の将棋教室では子どもたちの姿が目立ち、保護者からの問い合わせが殺到するなど将棋熱が高まっている。関係者は普及とともに、「暗い」といったイメージの払拭(ふっしょく)を期待する。大台の30連勝に挑む藤井四段の次戦は7月2日。柏市の師匠の下で腕を磨いた佐々木勇気五段(22)が対戦相手だ。

 27日夕、八千代市ゆりのき台の「C&C将棋塾」。学校を終えた子どもたちが、真剣な表情で将棋盤に向かう。この日は「29連勝」を成し遂げた前日の藤井四段の対局を大盤で再現。「次の手はどうする?」と講師に尋ねられると元気よく手を挙げて応えていた。

 5歳から将棋を始めたという小学4年の長谷川咲さん(9)は「こんな手は危なくないのかな-と思うことがある。すごい。自分より上の段の人に勝つのはプレッシャーに強いからだと思う」と活躍に目を見張る。

 同塾の代表、小高弘之さん(49)は「10年ほどやっているが先月から“藤井効果”で通常の2~3倍の問い合わせ。将棋に興味を持つ子が増えている」とうれしい悲鳴を上げる。

 今月に最年少女流棋士としてプロ入りを果たした同級生にとっても天才棋士の存在は大きい。同塾所属の中学3年生、小高佐季子さん(15)=佐倉市=は「憧れの存在。自分では何十分と考えるような指し手をすぐに指す。同学年でもこんなに違う強さなのかと思う」と悔しさをにじませた。

 日本将棋連盟千葉県支部連合会によると、“藤井効果”はこの将棋塾だけでなく、県内全体に広がりつつあるという。担当者は「将棋教室には『体験させたい』という保護者からの問い合わせが増えていると聞く」と話し、「今までは将棋は暗いイメージを持つ人もいたが、これを機に知的な印象が定着してほしい」と願った。

 ルールや約束が守れれば初心者でも出場できる大会もあるといい、「より将棋が身近な存在として市民権を得られれば」(担当者)とさらなる将棋熱に期待を寄せた。

◆次回対局は佐々木五段

 30連勝がかかる藤井四段の次戦は7月2日の竜王戦決勝トーナメントで、佐々木五段と対局する。

 佐々木五段は埼玉県三郷市出身。師匠である日本将棋連盟東葛支部柏将棋センター(柏市)、石田和雄九段(70)の下で腕を磨いた。2010年プロ入り。13年の加古川青流戦で優勝、16年の棋王戦では挑戦者決定戦まで進出した実力者。プロ棋士を養成する奨励会時代から評価が高く、将来を期待される逸材だ。

 話題の大一番を前に石田九段は27日、「(佐々木五段は)鋭い攻めが持ち味。非常に情熱がある子で気持ちを前に出すタイプ。藤井四段をいかに攻め倒せるかが勝負」と弟子の活躍を祈った。

 藤井四段が29連勝を決めた26日朝の対局室には、佐々木五段の姿があり、早くも大きな注目を集める中学生棋士に火花を散らしていた。佐々木五段は終盤力にも定評があり、好勝負が期待できそうだ。