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売り出し中ソフトB捕手・甲斐拓也、強肩送球の精度増す取り組みとは

6/28(水) 11:46配信

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球界屈指の強肩で試合の流れを左右しかねない盗塁を阻止

“甲斐キャノン”が炸裂した。ソフトバンクで正捕手の座を掴みつつある甲斐拓也捕手。27日の日本ハム戦(ヤフオクD)で、武器の強肩を発動させた。

【動画】足にも注目! 強肩発動“甲斐キャノン”集

 2点リードで迎えた3回。先発の石川が、先頭の中島に四球を与えて無死一塁とした場面だ。大田の打席で、3球目に中島がスタートを切った。低めへのスライダーで大田は空振り。素早くステップした甲斐の右腕から放たれたボールは、二塁ベースカバーに入った高田にストライク送球となった。

「ジャパ(高田)さんのタッチと、石川さんのクイックのおかげ。盗塁阻止は共同作業なので、そのおかげです」と謙遜したが、試合序盤にノーアウトから四球で出した走者。試合の流れを左右してもおかしくない場面だっただけに、大きな盗塁阻止となった。

 強肩から繰り出される“レーザービーム”が注目を集める甲斐だが、盗塁阻止時のスローイングには、強肩だけに頼らない、ある工夫が加えられている。

「ボールを捕る時に、左足を一歩踏み出すようにしています」

 映像を見ると、気付く人もいるかもしれない。甲斐は、一塁走者がスタートを切ったことを視界に捉えると、ミットの位置はそのままに、捕球前に左足を一歩前へと動かしている。そのまま投球をキャッチすると、ステップを踏み、ボールを握ってスローイングへ。この流れの一番最初でもある「左足の踏み出し」に、甲斐のスローイングを安定させる「秘密」が隠されている。

「一歩踏み出すことで、二塁がよく見えるようになるんです。その場でステップすると体がブレて目線もブレるんですが、左足を踏み出すことで体がブレにくくなって、目線がブレなくなるんです」

「左足の踏み出し」にこだわる理由とは…

 甲斐曰く、西武・炭谷銀仁朗のスローイングを参考にして、自らにも取り入れた一歩。ボールを捕球してから投げるまでのスピードは「普通にステップした方が速いと思います」と言うのだが、それならば、なぜ? そこには「盗塁は送球が少しでも逸れたら刺せない」との思考があるからだ。

 どれだけ強肩であろうが、ステップが速かろうが、送球がズレてしまえば、刺せるものも刺せなくなる。まず、優先すべきは高い確率でのストライク送球。そこを考え、現在のスローイングに行き着いたのだ。それに、武器の強肩が加わり、高い盗塁阻止率が生まれている。

 27日の試合では、4回無死から松田の3ランに続き、2者連続アーチとなる2号ソロも放った甲斐。「松田さんの1本で気持ちが楽になりました。結果ああいう形になって良かったです」とバットでも結果を残した。

「石川さんの真っすぐが速いのは日本ハムも知っている。真っすぐを打ちに来ていたので、変化球をうまく使えた」。大きく曲がるパワーカーブに加え、小さい変化のカットボールをこの日は有効に活用。自己最多タイの12三振を奪った右腕の投球をリード面でも支えた。

 開幕当初は千賀、東浜とだけバッテリーを組んできた甲斐だが、松本、石川といった若い投手がローテに入り、さらには高谷が負傷離脱したことによって、ほぼ毎試合のように先発マスクを被るようになった。シーズン中盤に入り、24歳は、チームに欠かせぬ存在となりつつある。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

最終更新:6/28(水) 11:46
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