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消えゆく大型モール、米国での新設に終止符か

6/28(水) 15:02配信

ウォール・ストリート・ジャーナル

 米国では過去3年間、新たな大型ショッピングモールが開設されていない。3年前に開設されたモールは当初、幾分の成功を収めたが、この種のプロジェクトとしては最後になる可能性がある。

 高級ショッピングモールを運営する不動産投資会社トーブマン・センターズは、フロリダ州サラソタのユニバーシティ・タウン・センターに86万2000平方フィート(約8万平方メートル)のモールを建設した。計画に何年もかけ、多数の調査を実施した結果、小売サービスがこの地域に十分行き届いていないことと、人口の増加が続く見通しが示されたからだった。

 同社がプロジェクトに着手したのは2004年。金融危機の間は中断せざるを得なかったが、2010年に再度調査を実施したうえでプロジェクトを再開した。モールには百貨店4店舗分のスペースがあったが、結局入居した百貨店はメーシーズ、サックス・フィフス・アベニューとディラーズの3店舗。残りのスペースは駐車場に充てた。

 この高級モールは好調だ。アップルやテスラ・モーターズなどの力強いテナントが、集客面で頼れる存在になっていることが一因だ。トーブマン・センターズは個々のモールの売上高を公表していないが、同モールの単位面積当たり売上高は同社の全ポートフォリオの平均に肩を並べると述べている。3月までの1年間の同社全ポートフォリオの平均は、1平方フィート当たり776ドル(約8万7000円)前後だった。A等級モールの単位面積当たり売上高は通常、1平方フィート当たり600ドルを超える。

 同モールの業績は好調だが、トーブマンに米国で新たにモールを開設する計画はない。

 ビル・トーブマン最高業務責任者(COO)は、「われわれは、今後建設されるモールが多くないとみているが、これが最後になるとは予測していなかった」と述べる。

 80万平方フィートを超えるモールの建設需要はしぼんでいる。かつて集客面で頼りになる存在だった百貨店は、安売り販売店や成長するネットショッピングとの厳しい競争にさらされるなか、店舗の閉鎖に動いている。

 1970年代と80年代のモール建設ブームは、改装資金がほとんどない時期に老朽化した建物を残す結果をもたらした。集客の目玉となる「アンカーストア」の閉鎖に伴い、モール内で未使用のスペースが増え、客足が減り、モールが「死」に向かうスピードが速まっている。

 米国には現在、約1200のショッピングモールがあるが、一部のアナリストは、この数が500から800にまで落ち込むと予想している。

 現四半期時点で、総床面積が80万平方フィート以上の「スーパーリージョナル」モールは、612カ所ある。2010年からは2カ所しか増えていない。総床面積が40万―80万平方フィートのより小型の屋内モールは599カ所で、2010年以降16カ所増えた。

 一方で、これとは別の部類に入るショッピングセンターは活況を呈している。ネイバーフッド・ショッピングセンター(近隣住宅街を商圏とする中型ショッピングセンター)や、ストリップ・モール(何軒かの店舗が横に並ぶ小型の屋外モール)の数は、2010年から2303カ所増え、11万4683カ所になった。

 世帯収入が平均以上で人口密度が高い地域にあるA等級モールは今も好調で、不動産所有者は業界の統合再編が自分たちに有利に働いているとしている。

 例えば、冒頭で紹介したユニバーシティ・タウン・センターのモールは、約22キロ南にあるサラソタ・スクエアにあるモール内のメーシーズが閉店したことから、恩恵を受けているという。

 トーブマン氏は、「大半のマーケットは既に、既存のショッピングセンターが貢献している」と指摘。将来も大型の小売り開発プロジェクトが行われるだろうが、それは過去数十年に郊外に建設された大型屋内モールとは違ったモデルを基にしたものになるとしている。

By Esther Fung