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国費返還命令応じず 雇用創出事業で川崎市など

6/28(水) 7:03配信

カナロコ by 神奈川新聞

 川崎市や川崎商工会議所などでつくる「川崎市地域雇用創造推進協議会」(代表・山田長満川崎商工会議所会頭)が、厚生労働省から受託した雇用創出事業(2009~11年度)で不適正な支出があったとして、同省出先機関の神奈川労働局から昨年3月に国費約382万円の返還命令を受けていたことが27日、分かった。定員割れしたセミナー経費の一部返還を求める内容で、協議会は督促状を受けても支払いに応じていない。

 返還命令は、会計検査院から問題を指摘された労働局が協議会に発令した。協議会事務局の市は「労働局の監査、承認を受けて適正に実施しており、支払う義務はない」(労働雇用部)と反論している。

 同事業は厚労省が雇用創出効果の高い取り組みを全国から公募。同協議会は「かわさき基準の理念を活(い)かす産業人材育成」として福祉人材の能力開発セミナーと人材マッチングを提案し、09年5月に採択された。

 協議会は8コースのセミナーを用意し、各セミナーを民間会社に再委託し実施した。労働局との委託契約に基づき事業費は国費で賄われ、労働局から3年間で委託料約3億4800万円が支払われた。

 ただし、このうち「福祉用具組み込みシステム」「福祉ソフトウエア」の2コースで、11年度のセミナー(40日間)は募集定員30人に対し参加者がそれぞれ9人と6人にとどまった。大幅な募集定員割れにもかかわらず、協議会は30人分の学習キット・機器代を含む再委託料約2千万円ずつを同市麻生区栗木の会社に支払った。

 労働局は会計検査院の14年度検査で指摘を受けた後に問題視。欠員となって使わなかった21人分と24人分の学習キット・機器代の計約382万円を不適正な支出と判断し、昨年3月に返還命令を出した。協議会は同年6月に反論文書を提出したが、労働局は今年2月に年5%の延滞金を加えた金額の納付を求める督促状、さらに同3月に来庁勧告状も出している。

 同市と同商議所は09年7月に事業開始を発表したが、返還命令の件は公表していない。