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議会の公開、密室議論 県議会基本条例検討会議 

6/28(水) 5:00配信

北日本新聞

■透明性確保に逆行

 県議会は27日、議会基本条例を策定する検討会議の初会合を県議事堂で開いた。相次ぐ政務活動費の不正を受け、「開かれた議会」に向けた方策の一環として話し合いを始めたものの、県民は傍聴できず、報道各社も取材できない“密室”で協議。委員長の渡辺守人氏(自民、高岡市末広町)は「各会派の言ったことは伝える」などと説明したが、専門家は「一つ一つの議論を見せるのが大事」と指摘する。

 初会合は県議事堂大会議室で実施し、全7会派の13人が出席した。報道各社が取材に詰め掛けたものの、公開されたのは冒頭に渡辺氏があいさつする1分のみ。一般県民も傍聴できない形式で開いた。

 約1時間にわたる会合の後に渡辺氏が記者会見し、協議内容を説明。非公開にした理由を尋ねると「各会派の言ったことを、委員長がまとめて公平に伝えるのが一番良いんじゃないかと思った」と答えた。

 公開については、15日の各会派代表者会議で「オープンにすべきだ」という声が出ていた。その主張を受け、会見で渡辺氏は「議事録をきちっとホームページで出す」と説明。次回からの公開を問われると「それは、ない。各会派が合意している」と否定した。

 議会事務局によると、議事録は1週間後に公表する予定。県民不在の場で条例が決まっていくが、「県民の意見を取り入れる方法を考える。パブリックコメント(意見公募)や公聴会などいろんなやり方があり、会議で決めることになる」(議事課)と言う。

 この日は議論のたたき台となる条例の構成モデルをつくり、「開かれた議会の実現」も盛り込んだ。会議の公開のほか、正副議長の責務、傍聴者への会議資料の公開などを論点として議論していく。

 地方自治法は「会議公開の原則」を定めており、県議会では本会議は自由に取材、傍聴できる。委員会は報道各社には公開するが、傍聴には委員長の許可が必要。今回の検討会議は、要綱で議員以外は原則、傍聴を認めないと定めた。

 全国で初めて基本条例を制定した北海道栗山町議会の元事務局長で、東京財団(港区)の中尾修研究員(68)は「基本条例は住民参加と情報公開をうたうもので、一つ一つの議論を丁寧に見せるのが大事。最後まで13人で話すのは公開とはいえない」と強調。「検討会議ではなく、委員会にし、県民も傍聴できる形にすべきだ」と話した。


■県内で協議非公開は県議会のみ

 県内では、8議会が基本条例を制定済み・検討中だが、策定の話し合いを傍聴できなかったり、取材が制限されたりするのは県議会だけだ。射水市は協議している最中で、特別委の津田信人委員長は「議員はそれぞれ責任を持って発言しており、特に隠すことはない」と話す。

 射水市は2016年12月に「議会基本条例に関する特別委員会」を設置。議長を除く21人でつくる特別委と、うち8人で構成する専門部会で検討している。いずれも傍聴可能で、報道陣にも公開している。

 既に基本条例がある小矢部、高岡、南砺、黒部、滑川市の5議会も議論を公開していた。砺波市は5月に議会改革特別委員会を設置。作業部会に当たる協議会は非公開だが、特別委は傍聴・取材とも自由にできる。


◆議会基本条例◆

 議会の基本理念や運営ルール、議員の活動原則などを定めた条例で、2006年5月に北海道の栗山町議会が初めて制定した。条例のある議会の割合は、都道府県が31議会で66%(17年6月)、市区が54・6%(15年末)、町村が29・1%(16年7月)。民間シンクタンクの東京財団は、条例で義務化・明文化すべきものとして(1)議会報告会(2)請願・陳情者の意見陳述(3)議員間の自由討議-の3点を挙げている。

北日本新聞社

最終更新:6/28(水) 5:00
北日本新聞