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黒田総裁は「非常にタフ」、再任し異次元緩和の完遂を-河合東大教授

6/28(水) 10:19配信

Bloomberg

日本銀行参与を務める東京大学の河合正弘特任教授(69)は、黒田東彦総裁(72)は「非常に肉体的にはまだタフ」だとして、再任され異次元金融緩和策を最後までやり遂げてほしいと語った。

河合氏は27日のインタビューで、来年4月に任期満了予定の黒田総裁の再任に関し「2%を達成して、そこから出口に向かうことをしっかりやっていただきたい」と話した。黒田総裁は海外の中央銀行との密接なネットワークを生かして意見交換ができるとし、再任の可能性は「十分ありうる」という見方を示した。

ブルームバーグの調査によると、エコノミストの間では黒田総裁の再任の見方が強まっている。他候補として、前内閣官房参与で安倍晋三首相に経済政策を助言してきた本田悦朗駐スイス大使や米コロンビア大学の伊藤隆敏教授の名前が挙がる。

河合氏は2001-03年、黒田総裁が財務省の財務官だった際、副財務官を務めた。02年には、日銀は3%のインフレ目標を掲げ、資産購入を通じてマネタリーベースを拡大すべきだとの論文を黒田氏と連名で発表した。

物価上昇率は日銀目標の2%には程遠いが、河合氏は労働市場の逼迫(ひっぱく)による賃金上昇の加速が想定され、「基調的なインフレ圧力は増している」と分析。7月20日に公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、日銀が本年度の物価の見通しを下方修正することはないと予想した。また物価目標の達成時期も18年度頃を維持するという見通しを示した。

デフレマインド

日銀は消費者物価指数(生鮮食品を除く)は17年度に1.4%、18年度に1.7%に到達するとみている。一方、ブルームバーグの民間エコノミストの調査では17年度0.7%、18年度0.8%にとどまる。

河合氏は景気拡大が続く一方で物価が伸び悩んでいる状況について、「デフレマインドが強い」と述べた。金融緩和を緩める時期ではなく、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」についても、経済危機時には大規模な国債購入が必要になる可能性があり、物価上昇2%まで距離がある状況で「あえてその部分を取り除く理由」はないという。

出口戦略の説明や金融引き締めを求める声についても、「なぜそういう話が出てくるのか分からない」と批判。出口時点の試算を公表するのは時期尚早だとし、「非常に不確実なことは今の時点では言わない方がいい」と話した。

Yoshiaki Nohara, Toru Fujioka

最終更新:6/28(水) 10:19
Bloomberg