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IoT社会の「縁の下の力持ち」を期待される「エッジコンピューティング」とは?

6/29(木) 12:10配信

ZUU online

オフィスのデスクトップPCでクラウド型サービスを使って事務作業をしていても、自宅でくつろぎながらスマートフォンで動画を視聴していても、裏側ではサービス提供者にあたるコンピュータが何らかの処理を行っている。

こうしたサービスの多くは、データセンターに集約された巨大なサーバー群によって処理が行われているだろう。しかし今、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及により分散型の「エッジコンピューティング」の活用を提唱する声が広がっている。

■集約型から分散型のエッジコンピューティングへ移るコンピュータ基盤

IoTの普及により、コンピューティング処理を行う場所はどのようにシフトしているのだろうか。

まず、現在では広く使われるようになりつつある「クラウドコンピューティング」のモデルを見てみよう。クラウドコンピューティングはIT・システム運用基盤を厳しい基準に従って構築してきた金融機関でも採用されるなど広く浸透してきており、主要なIT基盤の地位を得つつある。クラウドコンピューティングにおいて、処理はどのような場所で行われているのだろうか。

例えば、米AmazonのクラウドサービスであるAWSでは、日本国内であれば東京と大阪にあるAWSのデータセンターを利用できる。つまり、AWSを使っている企業は、自社のオフィスなどに設置したパソコンやサーバーといったコンピュータリソースではなく、地理的に社外に位置する場所で計算処理を行っているということになる。

このようにクラウドコンピューティングがインターネットを介して、遠隔地にある大規模なデータセンターで計算処理をする一方で、エッジコンピューティングはユーザーにより近い場所でコンピューティング処理を実行するモデルだ。

つまり、ユーザーのデバイスとインターネットクラウドの「境界(エッジ)」で、コンピューティング処理を行うやり方だと言えるだろう。

■自動運転車・IoTから次世代ネットワークまで広がるエッジコンピューティングの応用先

エッジコンピューティングのモデルは、自動運転車やIoTの実用化への期待が高まるにつれて導入への後押しの声が広がっている。例えば自動運転車は、スマート化する交通インフラとの連携といった活用方法が提案されており、その際にエッジコンピューティングを応用する余地があるとみられているのだ。

具体的には、道路上の事故車両の有無や障害物を道路に近接したインフラに設置したデバイスで検知し、その近くを走行する自動車に知らせる、などの構想だ。この構想を実現するためには、障害物をすばやく検知して付近を走行する自動車にすぐに知らせる、などの処理が必要となる。

従来のクラウドコンピューティングの様に遠隔地のコンピュータの計算能力を使用する場合には、通信や計算処理そのものに時間がかかる恐れがあり、円滑な運用に支障をきたしかねないのだ。そのため近接地で小型のエッジサーバーによる処理を行う、というものだ。

ちなみに自動運転車に道路上の障害物の情報を知らせる用途の場合には、移動体(携帯電話など無線端末)通信基地局に、非常に小型化したデータセンターを設置して計算処理を行うといった実現方法が提案されている。

■クラウドコンピューティングと組み合わせた活用も

また、クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングを組み合わせ、処理の遅延が大きな問題にならない領域については従来のクラウド基盤上で処理を行うといった役割分担も可能で、一つの方法として注目されている。

IoTのサービスが普及し、自動運転車など人々の生活と密接に関わるサービスが実現されるにつれ、裏側のコンピューティングの仕組みも変化していくのだ。デバイスや処理技術の発達が今後も見込まれると言えるだろう。(提供:MUFG Innovation Hub)

最終更新:6/29(木) 12:10
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