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NY市場サマリー(28日)

6/29(木) 7:23配信

ロイター

[29日 ロイター] - <為替> ドルが対ユーロで約1年ぶりの安値をつけた。イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁の利上げに関する発言を受け、欧州の金融政策が引き締め方向に転じるとの見方が強まったことが背景。

米議会上院が27日、医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の採決延期を決めたことも、引き続きドルの押し下げ要因となった。

ユーロ/ドル<EUR=>は一時0.5%上昇し、1年ぶり高値となる1.1390ドルをつけた。27日にも1.4%上昇していた。

BOEのカーニー総裁は、ポルトガルで開かれた欧州中央銀行(ECB)主催の会議で、英国経済がフル稼働の状態に近づくにつれ、BOEには利上げが必要になる可能性が高いと指摘。「向こう数カ月以内に」BOEは利上げを議論することになると述べた。

前日の27日には、ECBのドラギ総裁が緩和政策の修正の可能性を示唆し、市場ではECBが早ければ9月にも緩和縮小に動くとの観測が強まっている。

ドラギ総裁に近い複数の関係筋は28日、総裁の発言の意図はインフレ動向が弱めの局面を許容するシグナルを発信することであり、すぐさま引き締め政策に転じるわけではないと語った。しかし、アナリストらによると、総裁の発言は引き続きユーロの上昇要因になっているという。

クレディ・スイスのFXストラテジスト、アルビス・マリノ氏は「欧州の金融政策の見通しが、若干タカ派の方向へと傾いてきていることが、市場ではやや懸念されている」と指摘した。

ドル/円<JPY=>は、27日に約1カ月ぶりの高値となる112.46円をつけたが、この日はやや値下がりした。

<債券> 長期債を中心に価格が下落した。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の前日の発言が市場で拡大解釈された可能性があるとの報道があったにもかかわらず、欧州の中央銀行はタカ派的であるとの見方が広がっていることが背景。

ドラギ総裁は27日、大規模な債券買い入れや超低金利といったECBの政策を微調整する可能性を示唆。これを受け市場ではECBが9月にも緩和策の縮小を発表するとの観測が浮上した。

ただこの日になり、複数の関係筋がドラギ総裁の発言について弱めのインフレ期間への容認を示したものであり、差し迫った政策引き締めは意図していないとの見方を表明。ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席債券ストラテジスト、ガイ・レバス氏は、「今朝になってドラギ総裁のタカ派的な発言が拡大解釈された可能性があるとの見方が出てきたことがこの日の市場の動意となった」としている。

この日はまた、イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が英経済が完全稼動に近づくにつれ中銀は利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、金融政策委員会(MPC)はこのことについて「向こう数カ月」以内に討議すると発言。

クレディ・アグリコルの米国債取引部門責任者、ダン・ムルホーランド氏は、「金融引き締めについて言及したため、(カーニー総裁の発言は)市場の注目を浴びた」としている。

5年債と30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は95.8ベーシスポイント(bp) 。オーバーナイトの取引では2007年終盤以来の低水準となる91.9bpまで縮小していた。

インフレ率が連邦準備理事会(FRB)の目標を下回るなかでも、FRB当局者から追加利上げの可能性を示唆する発言が相次いだことで、ここ1カ月は米国債の長短金利差は縮小傾向にある。

総額880億ドルの今週の国債入札の締め括りとなったこの日の280億ドルの7年債入札は、最高落札利回りが2.056%となり、まずまずの需要を集めた。

<株式> 反発。金融・ハイテク株主導で買われ、S&P総合500種は約2カ月ぶりの大幅高となり、ナスダック総合は昨年11月7日以来の上昇率を記録した。

前日は米上院共和党が医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の採決先送りを決めたことが嫌気され、幅広く売られた。しかしリバティービュー・キャピタル・マネジメントのリック・メックラー社長によると、相場の下げ局面ではすぐに新たな買いが入ったとみられ、「金利水準はなお非常に低く、多くの投資家は株式以外に資金を振り向ける先をほとんど見つけられない」という。

金融株<.SPSY>は、米長期金利上昇や長短国債利回りスプレッド拡大などを背景に1.6%高。JPモルガン・チェース<JPM.N>やバンク・オブ・アメリカ<BAC.N>がともに2%を超える値上がりだった。オークブルック・インベストメンツのピーター・ジャンコフスキス共同最高投資責任者は「複数の米連邦準備理事会(FRB)当局者から利上げを進めるという発言が聞こえてきており、それが金融株の大きな押し上げ要因になっている」と述べた。

前日に2週間余りぶりの大幅な下げとなった情報技術株<.SPLRCT>も1.3%上昇と持ち直した。

このほか3─5月期利益が市場予想を上回った食品のゼネラル・ミルズ<GIS.N>は1.6%高。プライベートエクイティ会社への身売りを近く発表すると伝えられた文具・事務用品販売のステープルズ<SPLS.O>は8.4%上がった。

<金先物> ドルが対ユーロで下落したことに伴う割安感などを背景に買われ、続伸した。中心限 月8月物の清算値は前日比2.20ドル(0.18%)高の1オンス=1249.10ド ルとなった。

<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)の週報発表をきっかけに買いが加速し、5営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は前日比0.50ドル(1.13%)高の1バレル=44.74ドル。9月物の清算値は0.50ドル高の44.99ドルとなった。

EIAがこの日午前に発表した23日までの1週間の米原油在庫は前週比10万バレル増と、市場予想(ロイター通信拡大版調査)の260万バレル減に反して小幅な積み増しとなった。しかし、この週の原油生産が日量で前週比10万バレル減の925万バレルとなったことを好感した買いが台頭。また、ガソリン在庫が90万バレル減と、取り崩し幅が予想の60万バレル減よりも大きかったことも買い材料視された。

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最終更新:7/21(金) 12:51
ロイター