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「愛している」もOK 死後に想いを伝えるサービスが急増中

6/29(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 34歳で亡くなった小林麻央さんのように、働き盛りのサラリーマンも突然の不幸に見舞われることがある。病気でなくても、事故、テロ、自然災害など、いつどうなるか分からない時代だ。「できることなら、家族や大切な人に自分の思いを残したい」――そんなニーズに応えた死後サービスが増えている。

 例えば墓石・石材販売の良心石材(千葉県香取市)は、昨年、故人が思い出の場所に現れるアプリ「Spotmessage(スポットメッセージ)」を発表し話題になった。「ポケモンGO」と同じく、AR技術とGPSを利用したサービスで、ゆかりの場所を登録しておけば、訪れた人はスマホで故人のメッセージなどを見られるというもの。墓参りのたびに大切な人に“会える”わけだ。

 指定した相手に、電話やメールなどでメッセージを伝えてくれるサービスも登場した。寝装・インテリア製品の製造機械の販売などを手掛けるエスカコーポレーションの「言伝屋(ことづてや)」がそれ。同社取締役統括部長の畑田浩伸さん(47)の経験から生まれたサービスだ。

「子供の学校が同じで、同世代の保護者の葬儀に行ったとき、遺族の席に座る子供たちを見ながら、自分に置き換えて『家族に何も残していない』と考えさせられたんです。私たち子育て世代には財産と呼べるものはほとんどありません。せめて言葉だけでも残したいと思って始めました」

 もしものときは「言伝屋」に連絡するように身内に伝えておき、実際に亡くなったら身内が手続きをしてメッセージを受け取るという仕組み。「日時予約送信機能」もあり、指定した未来の日時に送ることも可能。子供の20歳の誕生日や毎年の結婚記念日などに向けてメッセージを残しておけるわけだ。

「会員さんは50代が多く、全体の7割は男性です。元気なうちはマイページで内容を書き換えられます」(畑田さん)

 臨終の際に「愛している」と言えなくても、思いは伝えられるのだ。