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米病院が開催 銃で撃たれても死なないためのトレーニング

6/29(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

コラム【ニューヨークからお届けします】

 6月に起きた下院議員を狙った銃撃事件は、米国全土を震撼させました。学校や公共の場所での無差別の相手を狙った銃撃事件は後を絶たず、こうした「マスシューティング」が全米のどこかで毎日起きているというデータがあるほどです。米国人は、いつどこで起こるか分からない銃撃事件への対応に頭を悩ませています。

 学校やオフィスでは、銃を持った犯人が侵入してきた場合の避難訓練を行うところも出ています。さらに一歩進んで、銃で撃たれた人の応急処置を教えようという動きも。銃で撃たれた場合の死因の9割は出血多量で、救急隊員が到着する前の数分間の止血が生存率を大きく左右するといわれています。

 日常的に銃による傷やナイフの刺し傷の治療を行うニューヨークのスタッテン・アイランドのリッチモンド大学病院では、一般市民を対象にした止血法の無料トレーニングを開催しました。

 スライドを見ながら出血の基本メカニズムを学んだ後、ダミーとお互いの体を使った止血訓練を実施。止血帯の正しい締め方、止血帯がない場合の手近な素材による簡易な止血帯の作り方、どのくらいの圧力で傷を押さえればいいか、傷口のふさぎ方なども学びました。

 参加者のひとりで保育施設で働く女性は、「教育施設で働く者として知っておきたいと思った」と、参加の動機をコメントしていました。

 リッチモンド大学病院の担当者は、「実際にコミュニティーで発生している外傷への対応を知ることは重要。交通事故なども含めて、あらゆる外傷に応用できる」と、トレーニングの意義を強調。この1回目のトレーニングが行われた日は、くしくも下院議員銃撃の当日だったため、参加者の表情も真剣だったと言います。

 最後には全員が「止血の基本プログラム1」の修了証を受けました。

 リッチモンド大学病院では今後、このプログラムを月に1、2回は開催していくとしています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)