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U―18日本代表 小枝監督の笑顔は日本の“切り札”

6/29(木) 16:30配信

東スポWeb

【越智正典「ネット裏」】6月は高校野球地方大会の組み合わせ抽選の季節である。神奈川、東東京、西東京…の抽選会はすでに終わり、6月28日は滋賀大会の抽選会。29日は宮城、山形大会の抽選会である。

 そういえば6月28日というと、ちょうどパ・リーグがこの日に青森県弘前で楽天の主催試合を組んでいた。相手は旧阪急、近鉄のオリックスバファローズ。楽天はそれなら…と太田幸司(毎日放送)に始球式を頼んだ。高校野球のオールドファンは、青森県三沢高のエース太田幸司をなつかしみ、1969年夏の第51回全国大会での、松山商業との決勝戦で、あの0対0、延長18回の健投を改めて思い浮かべるだろう。太田は孤軍奮闘。再試合も9回を投げ2対4。三沢は準優勝。大会史に名試合を残した。

 太田はその秋のドラフトで近鉄に1位指名されたが、入団発表のときも翌70年宮崎県延岡のキャンプにやって来たときも金ボタンの学生服。胸のポケットに大事そうに万年筆。きちんとしていた球児だった…。

 そんな6月。16日に日本高野連からことしカナダのスペリオル湖の北岸サンダーベイで開催されるU―18W杯(9月1日~10日)の高校日本代表の第1次候補選手30人が発表された。高野連はこれから地方大会と8月の全国大会からも候補選手を選び、代表を20選手で編成し、全国大会決勝後に発表する運びである。

 昨年、U―18全日本が台湾でのアジア選手権大会で見事に優勝したのはご存知のとおりだが、監督小枝守(前拓大紅陵高監督)が帰国後、ずいぶんたってからひょいと漏らした。

「出発前、会議が終わって甲子園球場の近くでそばを食べていると、荒井邦夫さん(京都、嵯峨野高、立教大)にバッタリ会いました。荒井さんが“守ちゃん”と呼んでくれました。いちばんうれしいことでした」

 小枝には多くの苦労、我慢があったのであろう。走らない選手がいた。打たれても笑っている投手もいた。小枝は荒井がいつまでも友達だよ…とさりげなく呼びかけてくれたと感得し、荒井に感謝したのであった。

 ことしのU―18W杯は昨年よりきびしい。日付変更線を通っていくから選手の体調維持からして難しい。それに木のバットの大会でもある。

 小枝はことしも春から高校野球をコツコツと見て歩いている。茨城での春の関東大会へ行ったときは大会役員を煩わせてはいけないと、入場券を買ってスタンドで見学していたが、6月になって4日に、大泉高、東大内野手、66年卒、麻生紘二から伝言が届いた。麻生は国際役員で、昨年台湾で小枝の野球をじっくり見ている。

「チームが苦しいときに選手に見せるキミの笑顔は何よりの日本の戦力だよ」

 シャレた伝言である。小枝は今度は千葉と北関東へ見に行った。

 =敬称略=(スポーツジャーナリスト)

最終更新:6/29(木) 16:30
東スポWeb