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地中熱利用を低コストに、騒音も少ない新型ボーリングマシン

6/29(木) 11:19配信

スマートジャパン

 掘削機メーカーの東亜利根ボーリング(東京都港区)は、地中熱利用システム導入時に必要となる掘削機の自動化・低騒音化技術を開発した。それら技術を搭載した高性能ボーリングマシン「ソニックNEO」を2017年7月に商品化する予定だ。同掘削機は、大幅な低騒音化(従来機比)と、一部自動化による作業人員削減を実現し、特に都市部で地中熱利用システムの導入コスト低減に大きく貢献する。

 再生可能エネルギーの利用拡大には、エネルギーを電力利用するだけでなく、地中熱・太陽熱・雪氷熱などの再生可能エネルギー熱利用も重要だ。しかし、再生可能エネルギー熱利用は導入コストや運用コストが高いことなどが課題となっている。こうした状況下、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は再生可能エネルギー熱利用の普及拡大に貢献することを目的に、「再生可能エネルギー熱利用技術開発」で、コストダウンを目的とした地中熱利用技術やシステムの開発、各種再生可能エネルギー熱利用のトータルシステムの高効率化・規格化、評価技術の高精度化に取り組んでいる。

 この事業で東亜利根ボーリングは、地中熱利用システム導入コスト低減を目的とした高性能ボーリングマシンの低騒音化・自動化を進めてきた。このほど、NEDO事業の成果をもとに、同社は地中熱利用システムの導入にあたり必要となる技術を開発し、その技術を搭載した同掘削機を製品化する。

 地中熱の利用にあたり、日本の地層はさまざまな土質が互層状になっていることから、掘削作業における熟練技術者の経験値が作業効率に大きく影響してくる。さらに、都市部での掘削作業では騒音対策が必須であるため、機械能力を十分に生かしきれない状態だった。そこでNEDO事業で、自動化・低騒音化技術の開発に取り組んだ結果、遠隔操作(回転、姿勢、走行)、自動ロッドチェンジャー、自動ロッドラックなどの自動化技術を開発により、作業の安全・安心の確保を実現した。

 また、遠隔操作などの技術導入により作業人員の削減が可能となり、低騒音化技術では従来機の「ソニックドリル」に比べエンジン騒音で11dB、掘削作業音で10dBを低減するなどしている。この結果、都市部の掘削で、掘削機械の能力を最大限活用することができ、掘削能力を2倍程度まで向上できるという。なお、同掘削機は国土交通省より超低騒音型建設機械に指定される予定。

 今後、同社ではさらなる掘削の自動化を目指し、慶應義塾大学とともにアンサンブル機械学習による自動掘削技術開発を実施しており、熟練技術者と同等の自動掘削を再現した時点で、新たな自動化技術を搭載したボーリングマシンを商品化する計画だ。