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中古ガラケーが人気の理由

6/29(木) 13:33配信

ITmedia Mobile

 日本国内で、特有の進化を続けてきた従来型携帯電話(ガラケー)。スマートフォンの急速な普及により、存在感は失いつつあり、キャリアショップではほとんど販売されなくなりました。そんな中、中古のガラケーのニーズが高まっています。今回は、中古ガラケーの人気の秘密に迫ります。

【売れ筋のガラケー】

●2016年にスマホのシェアがガラケーを逆転

 内閣府のデータによると、ガラケーからスマホに政権交代したのが2016年3月。下記のグラフ1では、2015年度の2人以上の世帯におけるスマホ普及率60.6%、ガラケー69.8%に対し、翌2016年にはスマホ67.4%、ガラケー64.3%となり、ガラケーとスマホの普及率が入れ替わりました。

 スマホの普及率がガラケーを抜いた背景にはいろいろなものが考えられます。例えは「スマホがPCと同じようにネットを閲覧できる」「アプリでさまざまなジャンルのコンテンツが使える」といった、スマホならではの利便性も大きいでしょう。あと日本ではiPhoneが売れていることから、「はやりのiPhoneを使いたい」という理由もあるでしょう。

 一方、キャリアショップで購入できるガラケーが少ないことから、しぶしぶスマホに乗り換えた人も多そうです。2014年以降、キャリアから発売されたガラケーの機種数を確認してみましょう。

 キャリアから毎年数十台のスマホが発売されているにもかかわらず、ガラケーの数は年々減少し、ドコモのiモードケータイは2016年で出荷が終了しています。一方、最近はAndroidベースの「ガラホ」が投入され、操作性も大きく変わらないため、従来のガラケーに取って代わる存在になりつつあります。ともあれ、ガラケーの数が減っているのは事実で、キャリアショップでの扱いも縮小傾向にあります。

●海外よりも高い日本のガラケー比率

 ガラケーは消えつつあるこの状況は、日本だけでしょうか? 海外の事例を見てみましょう。

 米国、英国、ドイツ、韓国、中国のどこ国を見ても、日本のガラケー利用率(全体加重平均)が全世代で特に高いことが分かります。その裏返しで、スマホ利用率が6カ国で一番低くなっています。また、タブレット普及も各国より断トツで遅れています。

 年代別に見ると、スマホ利用率では、20代では 87.0%で全世代トップ。年代とともにスマホ利用率は下がり、60代は35.0%。逆にガラケーは年代と利用率が比例しています。日本ではまだまだガラケーのニーズがあることが一目瞭然です。

 これだけガラケー利用率が高いにもかかわらず、旧機種はキャリアショップでは購入できません。そのため、ガラケーユーザーもしくは購入希望者は中古端末を買うしかありません。

●いまだにガラケーを使う理由

 実際にどのような層が中古ガラケーを購入しているのでしょうか? 当社(携帯市場)では、月間数千台のガラケーを販売しています。データによると、ガラケー購入ピーク層は2つあります。1つ目が30~40代のサラリーマン男性で、仕事で利用するためです。2つ目がシニアで、熱心なガラケー利用者かつスマホを持っていないため、メイン端末として利用しています。

 各層の購入者コメントを紹介します。

30~40代男性

・男性(40代)「同じ機種を使いたいから」
・男性(30代)「業務用端末として使うので、余計な機能がいらない」
・男性(40代)「タッチ操作ではなくて、ボタンが押せてシンプルに使えるから」
・男性(40代)「ショップに買いに行っても、もうスマホしかないから」
・男性(40代)「ガラケーの料金プランがスマホよりも安いから」

シニア

・男性(60代)「余計なものが付いていなくて分かりやすいから」
・女性(60代)「一度店員に進められてスマホにしたけど、全然使いこなせなくて、高い料金だけ払うしかなかったから」

 それ以外のコメントも紹介します。

・女性(30代)「父親へのプレゼントとして。もうなかなか売っていないので」
・女性(50代)「スマホを利用する自信がない」
・女性(30代)「親に持たせたいけど、スマホとか絶対に使えないから」
・女性(40代)「子供に持たせたいけどスマホは持たせたくないから」
・男性(20代)「下取りとして手に入れたかったので、何でもいい」
・女性(50代)「今利用している機種が気に入っているから」

 これらのコメントから、中古ガラケーが売れている理由をまとめると、以下の通りになります。

・シンプルな機能で十分
・ボタンが付いている
・スマホを使いこなせない
・スマホよりもガラケーの方が安い
・キャリアショップでスマホしか売っていない

●売れ筋の中古ガラケー

 では、どのような中古ガラケーが売れているのでしょうか?

 当店での売れ筋トップ3は以下の通りです。

・3位:ソフトバンクの「105SH」(シャープ製)
・発売日:2012年3月9日
・中古価格:2980円
・特徴
・プリペイド式携帯電話サービス(シンプルスタイル)でも使用可能
・カラーバリエーションが8種類と充実している
・本体カラーに合わせた光り方でキー部分が点灯(おしゃれ&見やすい)

・2位:auの「GRATINA KYY06」(京セラ製)
・発売日:2013年9月14日
・中古価格:2480円
・特徴
・手になじむ、丸みをおびた形
・防水・防塵(じん)・耐衝撃性能
・既存のフィーチャーフォンとしては比較的容量の大きい1020mAh
・5色展開(女性にうれしいオレンジ、ピンクも)

※初出時に、105SHとGRATINAの特徴が入れ違っておりました。おわびして訂正いたします(6/29 21:11)。

・1位:ドコモの「P-01F」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)
・発売日:2013年10月25日
・中古価格:3480円
・特徴
・P-01Eから続くシリーズのファンが多い
・ワンプッシュオープンボタンを搭載
・みまもりメール(新機能)を設定すると、登録した相手先に歩数計データや端末開閉の回数、バッテリー残量などの情報を自動的にメールで送信できるので、離れて暮らす家族が安心

 グラフ2で紹介したように、国内のガラケー全体加重平均比率はまだ40%以上あります。また、ユーザーコメントでも紹介したガラケーのニーズがいまだ根強いため、完全にスマホへ移行するのはまだ時間がかかりそうです。

 3Gサービス停波など強制的にガラケーが使用不可にならない限り、ガラケーユーザー層はまだまだ残るのではないでしょうか。

●著者プロフィール

粟津浜一

株式会社携帯市場 代表取締役

 1979年岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了。その後ブラザー工業にて、さまざまな研究開発業務に従事。2009年株式会社アワーズ設立、社長に就任。2017年株式会社携帯市場に社名変更。中古携帯を日本中に文化として広めることをビジョンとして、中古携帯市場動向セミナー、事業説明セミナーを行い、これまでに1000以上の店舗に中古携帯事業を展開、コンサルティングを行っている。

最終更新:6/30(金) 10:35
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