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「自分探し」で迷子になったオトナへの処方箋

6/29(木) 20:15配信

All About

◆「ここでもない」「あれでもない」……オトナの迷子が止まらない

せっかく苦労して入った大学なのに、「ここでよかったんだろうか……」とため息をつく。たまたま入った会社の仕事の内容が不満で「あっちの会社の方がよかったんじゃない?」と頭を抱える。このように、自分が飛び込んだ道に「ここではない」「やりたいことは何だったんだろう?」と戸惑い、迷い始める大人が増えています。



こうした「オトナの迷子」が増えたのは、たくさんの選択肢が開放されているためでもあります。数十年も前であれば、長男は親の稼業を継ぐのが当たり前でした。家と土地を守るために地元で働き、根を下ろすのが一般的だったのです。女性の場合、1986年の男女雇用機会均等法施行前までは、職種も限定されていました。さらに、「25歳はクリスマスケーキ」と言われ、女性は働き始めて5年もたつと「そろそろ寿退社へ」と促され、働き続けることも難しかったのです。



つまり、一昔前なら「職業選択の自由」は限定され、迷う余地すらなかったのです。しかし、今は本人の「やりたい気持ち」と向き合い、生まれ育ちや性別の縛りを超えて多くの職業を選べる時代。ところが、自由を享受できた途端、「これでもない」「あれがよかったんじゃないか」と迷い始める人が増え始めているのです。

◆青い鳥を探し続け、幸せを実感できないのはなぜ?

一つの選択をしても、「これじゃない」「もっと違う“何か”があるはず」と探し始め、さまよい続けて混乱してしまうことを「青い鳥症候群」と言います。メーテルリンクの童話『青い鳥』で描かれる、幸せの青い鳥を探し始めて森の中をさまようチルチルとミチルのように、「“私の生きる道”を探したい!」という思いで、社会の中をさまよい歩く現代人はたくさんいます。



しかし、「幸せの青い鳥」は、ひょっとしたらすでにもう手にしているのかもしれません。童話『青い鳥』の結末でも、命がけで探した青い鳥は結局、家の鳥かごの中にいたというオチで終わっています。理想の学校、理想の会社、理想のパートナー、理想の家……自分はそれを手にしているのに、そのすばらしさに目を向けず、「他の何か」に正解があると思いこんでいる可能性はないでしょうか。



幸せは、つかんだ瞬間からつまらないものに思えてしまうもの。これを「幸せのパラドックス」と言います。希望がかなってつかんだ「幸せ」は、実際に手にしてみると「こんなものだったの?」「たいしたことないじゃない」と欠陥ばかりが目につきます。そして、「じゃ、“本当の”幸せはどこへ?」と探し始め、結局、「幸せ」を喜び、感じることができなくなるのです。

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最終更新:6/29(木) 20:15
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