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EU チーズ全て開放要求 週内にも閣僚会談

6/29(木) 7:02配信

日本農業新聞

 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉で、焦点のチーズでEU側がハード系に加えソフト系でも関税撤廃を求めていることが分かった。交渉が大詰めを迎える中、EU側はなお強硬姿勢を崩していない。週内にも閣僚を日本に派遣し、日本側に受け入れを迫る考えで、大枠合意を急ぐ日本側が譲歩する懸念もある。譲歩した場合、国内酪農への打撃に加え、米国が経済対話で市場開放圧力を高めてくるのは必至だ。

 貿易担当のマルムストローム欧州委員は訪日する意向を示しており、30日にも岸田文雄外相と会談する可能性がある。閣僚間での政治決着を図る構えで、交渉は大きなヤマ場を迎える。

 EUとのEPA交渉で最大の焦点はチーズ。日本は環太平洋連携協定(TPP)でゴーダなどハード系での関税撤廃を受け入れる一方、カマンベールに代表されるソフト系は守った。政府関係者によると、EU側はチーズの市場開放に固執し、ハード、ソフト系含む全品目での関税撤廃を依然求めている。

 交渉が大詰めを迎える中、EU側は日本が輸出を伸ばしたい自動車で譲歩するのと引き換えに、チーズで日本に譲歩を要求。一方、日本政府内でも「日本の生乳のうちチーズに向くのは1割未満。仮にEUにチーズで譲歩しても、国内対策の予算はそこまで膨らまない」と、譲歩を許容する声も上がる。

 だが、農業団体幹部は「EUからの影響だけを考えれば済む話ではない。EUに譲歩すれば米国からも攻め込まれる」と、日本政府の安易な譲歩を懸念する。米国の酪農業界はTPPが合意した当初から、日本の市場開放が不十分だと不満を訴えている。こうした中で、日本がEUとの間でTPPを超える水準の自由化を受け入れる事態となれば、「米国の酪農業界がさらに不満を募らせ、米国からの自由化の圧力が高まるのは避けられない」(同)からだ。

 日米で4月から始めた経済対話では、米国は自由貿易協定(FTA)交渉に発展させることに意欲を示している。世耕弘成経済産業相が経済対話の地ならしのため訪米し、28日以降、複数の閣僚と相次いで会談する。米国から乳製品での具体的な要求を突き付けられる可能性もあり、EUとの交渉の一方で、米国と日本政府の動向にも警戒が欠かせない状況だ。

日本農業新聞

最終更新:6/29(木) 7:02
日本農業新聞