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黄金期到来も“変質“するゲーム市場 ー eスポーツ現象の本質を理解したメーカーが勝つ[E3 2017]

6/29(木) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

いま「家庭用ゲーム機」と「PCゲーム」が何度目かの黄金期を迎えている。日本ではまだ元気がないが、ことアメリカにおいて盛り上がりは顕著だ。

【画像】任天堂は、Nintendo Switch向けに10月27日に発売する「スーパーマリオ オデッセイ」をアピール。マリオ+任天堂というクオリティへの信頼感もあってか、大人気だった。

6月13日から15日(共に現地時間)の3日間、米カリフォルニア州ロサンゼルスにて開かれた世界最大のゲームイベント「Electronic Entertainment Expo(E3)」では、その事実を強く感じた。ただし、この黄金期は過去の繰り返しとは異なる現象だ。その“特徴“がゲーム業界に大きな変化をもたらし始めた。現在のアメリカのゲーム市場の構図と、E3で発表された数々のニュースは、数年後の日本の姿の一端を予見していると言っていい。それは何か?

人であふれるE3会場、「濃厚なゲーム体験」への期待が市場を作る

今年のE3会場は、とにかく人であふれていた。

それには理由がある。一般のゲームファンにも門戸を開いたからだ。E3は東京ゲームショウなどと異なり、基本的に「業界関係者向けイベント」として開催されてきた。ここ数年は会場外でファン向けイベントを開催したりもしているが、本会場であるロサンゼルス・コンベンションセンターの中は長年にわたってゲーム業界関係者だけが入れる場所だった。

しかし今年、一般のゲームファンにもチケットを販売。1万5000枚のチケットが完売し、その分だけ参加者が増えた。E3主催者であるEntertainment Software Associationによれば、今年の来場者は約6万8000人。昨年が5万人だったので、一般ユーザー分+αで30%来場者が増えている計算になる。

会場はどこも行列だ。人気のゲームについては、10時の会場と同時に入っても4、5時間待ち……という状況。特に行列の長かった任天堂ブースは、周囲をぐるりと人が取り巻き、会期初日などはブース内を歩くこともままならないほどだった。

任天堂だけでなく、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)やマイクロソフト、Ubi SoftやActivision、スクウェア・エニックスにカプコンといった人気メーカーのブースは、どこも同様に人々が殺到していた。行列の是非はともかく、それだけ人が来て並ぶということは、今のゲーム業界が元気である、ということの証だ。

6月11日、SIEはPlayStation 4(PS4)の累計販売台数が6040万台を超えたことを発表した。これは歴代のゲーム機でも最速のペースであり、特に欧米を中心とした人気の高さを示している。プレスカンファレンスでも新しいハードウェアや売り上げ目標、技術的な数字などは一切出さす、ひたすら現在開発中のゲームのクオリティをアピールした。

マイクロソフトはそれを追いかけるように、新型ゲーム機「Xbox One X」を発表した。ライバルであるPS4が昨年、パワーアップ版の「PS4 Pro」を発売していることへの対抗の意味が大きい。

任天堂は3月に発売した新型機「Nintendo Switch」を中心に据えた。Switchと同時発売だった「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の評価が極めて高く、「任天堂は高いクオリティのゲームを出してくれる」という信頼感が人気の後押しとなっている。

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