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もし余命わずかだったら…? 映画『しあわせな人生の選択』が映す、絶妙な“男同士の距離感”

6/29(木) 7:10配信

dmenu映画

死期が迫った友人との最期の時を描く『しあわせな人生の選択』(7月1日公開)。鑑賞後に深い余韻を残す本作は、スペイン版アカデミー賞と称されるゴヤ賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞の5部門を制覇しました。

【画像】『しあわせな人生の選択』フリアン演じるリカルド・ダリンとトマス演じるハビエル・カマラ

スペイン・マドリードを舞台に、余命わずかな主人公のフリアン(リカルド・ダリン)は、彼を心配してはるばるカナダから訪ねてきた古い友人トマス(ハビエル・カマラ)の力を借りて、残り少ない人生を悔いなく過ごすための選択を一つずつ重ねていきます。

彼らが共に過ごすことができる期間はたった4日間ですが、悲観して大げさに嘆き悲しむことはしません。昔のような遠慮のない関係に戻ったフリアンとトマスの間には、笑いを誘うテンポの良い会話が繰り広げられ、時には泣いたり怒ったり……。本音や哀しみを素直に伝えつつも、最終的には相手の意思を尊重するというある種のセンスの良さを感じさせる“男同士の距離感”がとっても素敵なんです。

延命治療を断る友の意思を尊重し、全力でサポート

かつて恋愛映画の主役を務めるほどの人気俳優だったフリアンですが、今では病気のため出演舞台の降板も決定し、金銭的にも困窮しています。一方、カナダで大学教授をするトマスは社会的地位に加え、家族にも恵まれたいわゆる人生の成功者。一見明暗分かれたような2人ですが、彼らの間には卑屈感や優越感は一切ありません。残された時間はわずかという特殊な状況にも関わらず、いつもと変わらぬやり取りを交わしていくのです。

軽くお互いの状況を報告し合う2人は、口にしづらい金銭面に関しても「悪いが金欠なんだ」「俺はリッチだから問題ないね」程度のさりげないやり取りで完了。その言葉通り、支払いを済ませたトマスが見返りを求めるような言葉を発することは一切なく、気ごころの知れた2人の姿は、見ていて清々しさを感じさせます。

しかし、フリアンの担当医に面会した時、そんな2人の間にも緊迫したムードが流れます。一切の延命治療を断ったというフリアンに、我慢していたトマスの本音が思わずポロリとこぼれてしまうのです。その後フリアンが一年間考え続けた上での決心だということを知ったトマスは、つっこみを入れながらも、その後はフリアンの“死ぬまでの課題解決”を全力でサポート。しっかりと相手の意思を尊重する、熱い思いやりがあるんです。

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最終更新:6/29(木) 7:10
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