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福祉施設の老朽化対策 都が板橋区に代替施設を計画

6/29(木) 14:14配信

福祉新聞

 東京都は、社会福祉法人に老朽化した施設の建て替えを円滑に行ってもらうため、事業継続に必要な代替施設を板橋区にある都有地で計画している。事業者は、代替施設を借りて事業を継続しながら、既存施設の建て替えを行う。都は、同様の事業スキームを清瀬市で2019年度から始める予定で、板橋区のケースは2例目に当たる。施設規模や貸付料金、スケジュールなど詳細は未定だが、事業開始は少なくとも19年度以降になる見通しだ。

 都が代替施設を計画しているのは、板橋区の旧健康長寿医療センター跡地。現在、既存施設の解体工事を行っており、工事は18年度末に完了する予定。代替施設は、特別養護老人ホームを想定して整備する。施設の詳細な内容については、事業者に聞き取り調査などを行って精査し、開設時期などは地元の板橋区とも連携しながら事業の準備を進めていく。

 都は、社会福祉施設の建て替えを促進するため、清瀬市と板橋区の2カ所で事業を行うことになる。都心は土地が狭く、事業を継続しながら現在地で建て替えるのが困難なケースが多い。仮に代替地が見つかったとしても、土地の賃貸料などで余計なコストが法人経営を圧迫することにもなりかねない。建て替え費用をねん出するのに四苦八苦する法人にとってこの事業は、渡りに船となりそうだ。

 一方で課題もある。清瀬市は東京26市のうち北東部、板橋区は23区のうち北西部にそれぞれ位置する。社会福祉法人が拠点とする自治体によっては、直線距離で数十キロ離れることになるため、職員配置や利用者・利用者家族への配慮が必要だ。特に利用者・利用者家族への配慮は金銭では代えがたく、単純にコストメリットを優先して事業に名乗りを上げることはできないというのが実情だろう。

 都の担当者によると、清瀬、板橋以外の場所での代替施設の整備は今のところ想定していないという。画期的な事業手法ではあるものの、代替施設の数に限りがあるため、実際に事業を利用できる法人自体も限られてくる。長く事業を行っている法人ほど老朽化した施設を抱えており、それらすべてが建て替えに向けた積立金を潤沢に保有しているわけではない。

 施設の老朽化と建て替えコスト――。都心ならではの問題に、多くの法人が今後も悩まされることになりそうだ。

最終更新:6/29(木) 14:14
福祉新聞