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なぜヴェッラッティの代わりがパウリーニョ?バルセロナの不可解な補強策

6/29(木) 20:10配信

GOAL

5月下旬にバルセロナファンにはがっかりするような知らせが届いている。クラブの会長、ジョゼップ・マリア・バルトメウ氏が「わくわくするような選手の獲得もあるだろう。しかし、そうでもないものもあるかもしれない」と話したのだ。もしかすると、パウリーニョの獲得はこの予告の類に入るのかもしれない。

バルサがパウリーニョ獲得に向けて動いているというのは一体どういうことなのだろうか。キャリアのピークとも言える28歳のパウリーニョは、ハードなタックルからのボール奪取と豊富な運動量を武器とする中盤の選手だが、バルサのプレースタイルにフィットするとは到底思えない。それに彼は、トッテナムでの失敗を経て中国でキャリアを再構築している時でもある。

パウリーニョは、ガレス・ベイルの穴埋めの一人としてスパーズに加入したのだったが、イングランドの地で成功することはなかった。カーディフとのアウェーマッチで素晴らしいゴールを挙げた以外、特に何も爪痕を残していない。そして、広州恒大が彼の獲得に1000万ポンド(約14億円)を提示したとき、トッテナムは自らの幸運ぶりを信じられないほどであった。

では、なぜそんな選手をバルセロナが必要とするのだろうか。確かにパウリーニョは中国で素晴らしいパフォーマンスを見せており、中国スーパーリーグでは突出した存在である。かつてブラジル代表でも指揮を受けたルイス・フェリペ・スコラーリ監督の下、コリンチャンスや2013年のコンフェデレーションズ・カップで見せたような素晴らしいプレーをアジアと場所を変えて、再び見せ始めている。

今年3月のワールドカップ南米予選、ウルグアイ戦で記録したハットトリックには、彼自身も驚いたという。しかし、バルセロナからの関心はそれ以上に驚きのことだ。なぜなら、パウリーニョは来月29歳の誕生日を迎え、そして彼の獲得には4000万ユーロ(約50億円)かかるとみられ、またバルサのスタイルにフィットする選手とも言えないからだ。

バルサは前アスレティック・ビルバオ監督であるエルネスト・バルベルデを新たな指揮官として迎え、よりアグレッシブなチームを作るとみられている。しかしそうはいっても、バルセロナの中盤にはシャビのように糸を紡ぐようなプレーのできる選手が求められている。それは世界中で広く認識されていることであり、だからこそ今夏の補強候補筆頭にはマルコ・ヴェッラッティがリストアップされているのである。

パリ・サンジェルマンが彼らのベストなミッドフィルダーを放出することには否定的とはいえ、ヴェッラッティ自身がバルサへの移籍を望んでいることは確かだ。もし、移籍市場が開いてまだ間もないこの時期に早々にヴェッラッティを諦め、代わりとしてパウリーニョ獲得に動いているのだとしたら、それは非常に信じがたいことだ。

クラブのレジェンドであるシャビもヴェッラッティこそがバルサの中盤で彼の後継者としてふさわしい選手だと認めているが、クラブはイタリア代表MF獲得に1億ユーロ(約127億円)あるいはそれ以上支払うことにためらっており、多くても8000万ユーロ(約100億円)に留めたいと思っている。

だからといって、安値でパウリーニョを獲得するというのもおかしな話だ。ポジションで言えば、パウリーニョはアンドレス・イニエスタやセルヒオ・ブスケツのポジションが務まるだろうが、彼らが求めているのはゲームのテンポはもちろん、右ウイング、右サイドバックの選手までコントロールできるような中盤の選手である。

残念ながら、パウリーニョはそうしたタイプの選手ではない。むしろ彼の獲得は、近年のアレックス・ソングやアンドレ・ゴメスのように良いパフォーマンスも発揮できず、バルサのスタイルにもフィットしなかった補強失敗を思い起こさせる。

また、バルサにとって気がかりなのは、レアル・マドリーとは違い、ヴェッラッティやアーセナルのエクトル・ベジェリンのように、バルサに加入したい選手を獲得できていないというポイントだ。

しかしそうした考えはバルトメウを始めとしたクラブの首脳陣たちの頭の中にはあまりないようだ。上層部と現場が同じ方向を向き、フィットしない限り、バルサがリーガとヨーロッパでの権力をマドリードから取り戻すことは難しいのかもしれない。

文=ベン・ヘイワード/Ben Hayward

最終更新:6/29(木) 20:10
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