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ニホンウナギの稚魚、流通透明化が急務 国際取引の規制回避へ

6/29(木) 19:07配信

みなと新聞

 2019年のワシントン条約(CITES)締約国会議でニホンウナギの国際取引が規制されるのでは、とうわさされる。ニホンウナギの資源は近年、危機的な状態が続き、国際的な「密輸」も横行しているため、規制を訴える声があがっている。規制されれば、日本への養殖種苗や活鰻、かば焼きの輸入減少が見込まれる。水産庁は規制を防ぐ意図から国際的な流通の透明化を急ぐ。

難航する台湾との交渉

 輸入価格が1キロ当たり200万円にもなるニホンウナギの種苗(シラスウナギ)は主に香港から輸入される。シラスの採捕実態のない香港の輸出は続いている。発端は40年前までさかのぼる。

 日本は1976年、国内の養鰻業者への安定供給を目的に種苗の輸出を禁止した。輸出先は主に台湾。対抗した台湾は2007年から同様の禁輸措置を取った結果、台湾から日本への輸出ルートが閉ざされ、種苗を香港に迂回(うかい)させ、日本に入れる密輸網が出来上がった。

 水産庁は香港経由の不透明な流通をなくし、種苗貿易のイメージを改善するため「日台間で直接の(香港を通さない)輸出入を解禁できるよう交渉中」(同庁の長谷成人次長)。ただ、「交渉はまとまっていない。(台湾政府に発言力を持つ)台湾の養鰻業者は『輸出を先に止めたのは日本。今さら解禁とは都合がよすぎる』『仮に解禁となっても、経済力で劣る台湾側に入荷があるか不明』などと考えているようだ。解禁のめどは立っていない」(同庁栽培養殖課)状況にある。

日本国内でも裏流通

 日本国内の流通も不透明。水産庁の資料によると、国内のシラスウナギ生産量のうち密漁または未報告流通物の占めた割合が15年で63%、16年で43%に上ったとみられる。同課は「一部の県が県内の養鰻業者に種苗を安定供給するため、種苗を指定の集荷場所・低価格でしか販売させていない。そこで、種苗を県の正規取引より高く買い取る非正規業者が介在。採捕者は採った量の一部だけを県に報告して正規販売、残りの採捕分を非正規業者に高値で売っている」と分析している。

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最終更新:7/3(月) 10:40
みなと新聞