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PERSONZ、リロードに加えた新曲で今後も続く道のりへの挑戦宣言/レポート

6/29(木) 15:59配信

MusicVoice

 ロックバンドのPERSONZが4日に、ワンマンライブ『PERSONZ 20170604 中野サンプラザ[NO MORE TEARS RELOAD]』を東京・中野サンプラザでおこなった。

 2016年12月末には、1993年にリリースしたアルバム『The Show Must Go On』のリロードをおこなうという趣旨でのステージを展開した彼ら。今回は、彼らが日本のロック界のメインストリームに登場するきっかけとなった3rdアルバム『NO MORE TEARS』のリロードをおこなうという趣向でのステージとなった。

 彼らは28年前、このアルバムをリリースした際にも中野サンプラザでステージをおこなっており、今回はPERSONZとして実に28年ぶりのステージとなる。10年、20年と活動を続けるのが難しいロックバンド界において、彼らはデビューより33年を経て、未だにオリジナルメンバーで活動を続ける数少ないバンドの一つ。それだけに、彼らの活動の大きなターニングポイントとなったこのアルバム、そしてステージでのリロードは、これから先に彼らがさらに精力的な活動を続ける上で重要な起点であるともいえる。今回はそのライブの模様をレポートする。

■「28年前の自分たちより、もっと盛り上がろう」28年前の情熱がリロードされる

 PERSONZのアルバム『NO MORE TEARS』リリース当時よりリアルタイムでPERSONZのサウンドを楽しんだと思われる、若干年齢層の高い客層がこの日も会場に多く訪れていた。その多くは「PERSONZ」と名が印刷されたTシャツを着たり、中にはボーカリストのJILLのステージ衣装を模した、ラメの入ったジャケットや、薄地の布で作ったシースルーのスカートを着飾るなど、おのおのがそれぞれ自身のPERSONZ愛を目いっぱいにアピールしていた。

 会場の座席もほぼ埋まり、予定のスタート時間を少し過ぎたころ、会場に鳴り響いていた80年代のポップミュージックはフェードアウトし、会場の照明がスッと消えた。黒を基調として、白の階段のオブジェが立ち並ぶステージ。暗闇の中で、そこは青い光で照らされ、そしてオープニングのSEである、『NO MORE TEARS』の「TEARS」が流れ始めた。この日のステージのために新たに作り直されたものでオルゴールの響きで構成されたそのメロディが、まるで観衆の時を逆戻しにし、ワクワクドキドキした瞬間に皆を連れていくかのようだ。そんな中、いよいよ拍手に迎えられPERSONZの面々が現れた。藤田勉、本田毅、そして渡邉貢。やがてSEがフッと消えると、藤田のドラムが、1曲目のイントロを奏で始めた。そのリズムに観衆は「オーッ!」と大きな歓声で答える。待ちわびた瞬間の到来を、心から喜ぶかのように。

 程なくして、JILLが登場、フロアからはまたも大きな歓声が上がる。爽やかなハーモニーを聴かせる「BIG COUNTRY」で、いよいよこのステージはスタートの時を迎えた。この曲で既に観衆は総立ち。そしてそのサビを、リズムに合わせて腕を振りながら、JILLとともに声を合わせて歌う。「28年前の自分たちより、もっと盛り上がりましょう!」リロードへの思いを込めたJILLの言葉が、観衆の気持ちをさらに熱くする。さらに8ビートのロックナンバー「MARQUEE MOONを聞きながら」、ダンサブルな「SPECIAL SPARKLIN’ HEARTS」で、さらに時をリロードしていった。

■アルバムのマジックが明かされたひと時

 「今日はゆっくりやりたいんだよね。だって(ステージなんて)あっという間に終わるじゃん?28年ぶりだから、今日はすごく勿体付けるよ!」冗談っぽくJILLが観衆に語り掛けた。そして28年間を駆け抜けてきた思い、ロックという音楽に救われてきた思いを振り返りながら、JILLが叫ぶ。「Are you ready to Rock'n Roll!?」その言葉に観衆が「Yeah!」と返すや否や、「ROCK MY HEART」を契機に改めて『NO MORE TEARS』の世界が披露された。ポップでメロディアスなビートとハーモニー。その上をちょっと悪戯っぽくも、親し気に、さらに感情も豊かなJILLのボーカルが響き渡る。

 この28年間、アルバムが放ち続けたマジックの正体が今、ここで明かされた、そんな雰囲気さえ見られるひと時。「TO THE 1999:XANADU」では、本田、渡邉、藤田のソロも披露され、さらに深いPERSONZワールドへ見るものをいざなう。そんな中で、歌と歌との間には要所でJILLが、28年前の出来事に思いを寄せる。アルバムがチャートの2位にまで上昇したこと、ライブハウスのツアーが、ホールのライブへと変わっていったこと。その思いを曲に込めて歌う彼女のメロディ、そしてPERSONZのメンバーである渡邉、藤田、本田の奏でるハーモニーには、熟成されたワインのように深みのある味わいが感じられた。

 いよいよステージも大詰め。改めて観衆へのリロードを誘う「SLEEPING BEAUTY」へ。「WAKE UP HURRY!」と一節を叫ぶJILLの声が、聴くものの心にこだまする。それはまるで28年前にあの場所でみんなの気持ちを揺り動かしたもの、それを再び取り戻せと叫んでいるようでもあった。さらに観衆が飛び回って狂喜乱舞する、彼らの代表曲の一つでもある「BE HAPPY」から畳みかけるように「TOKIO’S GLORIOUS」へ。

■新曲で示した新たな道、まだ続くPERSONZの道のり

 そしてターニングポイントへ。新たな道を指し示すかのようなナンバー「7COLORS」。映画『オズの魔法使い』で有名になったスタンダードナンバー「Over the Rainbow」のメロディを取り入れた、本田のギターによる印象的なイントロから、『NO MORE TEARS』の代表曲の一つであるこの曲へ。思いのこもったPERSONZのこの演奏に、観衆はまるで何か新しいものを吹き込まれたように生き生きした表情で彼らに声援を送り、腕を振って応えた。

 さらにアンコールに応え、再びステージに登場した4人は「今を生きる」という意味で書いたというバラードの新曲「NO MORE TEARS - SPIN A STORY」を披露。そこにはこの日のステージに、ここまでの道のりを駆け抜けてきたことで得たかけがえのないものを付加することで、単に過去のリバイバルではない新たな意味を持つものに、変えていく感覚を振りまいているようにも見えた。自ら、そして観衆も合わせたすべての人がそうであると、改めて主張するような「DREAMERS」、「MIGHTY BOYS MIGHTY GIRLS」、2度のアンコールに応え「THE SHOW MUST GO ON」、ラストにはこの日会場を訪れた観衆一人ひとりに語り掛けるような「DEAR FRIENDS」で盛大なリロードの場を締め括った。

 クライマックスの「The Show Must Go On」をプレーした際にJILLは語った。「ツアーもまだ続けたい。ここでこれだけ集まったのなら、いろんなところでも出来そうじゃない?もっとしたいな。もっとしたいよ! みんなついてきて!」この日のステージからは、PERSONZの道のりは、まだ当分終わりを迎えることはないと思える。JILLの言葉は、それを裏付けるのに十分なほどの力強さを見せていた。

(取材=桂 伸也)

最終更新:6/29(木) 15:59
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