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上五島・小値賀両空港 定期便復活の動き鈍く 機体大型化に対応できず

6/29(木) 10:22配信

長崎新聞

 長崎県営の上五島空港(新上五島町)と小値賀空港(北松小値賀町)の定期便が廃止され、11年たった。どちらもヘリコプターによる医師の搬送などで活用されているが、定期便復活に向けた県と両町の動きは鈍い。背景には、旅客機の大型化に滑走路が対応していない事情もある。

 上五島空港は1981年、小値賀空港は85年に供用開始。オリエンタルエアブリッジ(ORC)が9人乗りの小型機で長崎や福岡と毎日つないだが、天候に運航が左右されやすく、ともに2006年3月末で廃止した。両空港を利用したパイロットスクール開校計画も一時浮上したが、業者の資金難で実現しなかった。

 現在は主に、本土との間で救急患者や医師をヘリで搬送する際に使われ、自衛隊ヘリの離着陸訓練なども含めると、それぞれ年間80~90回ほど利用実績がある。人件費や光熱費などの維持管理費は16年度、上五島空港が約1500万円、小値賀空港が約750万円かかっている。

 ただ、両空港とも滑走路の長さは800メートルで、国内定期便がある対馬空港の1900メートルと比べ半分以下。ORCが現在所有する39人乗りのボンバルディアDHC8-201型が就航するには、最低でも1200メートルが必要となる。県は「滑走路の延伸には膨大な費用がかかる。地元から要望がなく、計画もない」としている。

 新上五島町は「現在の滑走路でも離着陸できる航空機が開発されれば、定期便再開やチャーター便利用に向け動くことも検討したい」と慎重姿勢。小値賀町も「定期便は難しいが、県と連携し活用策を模索したい」としている。両町とも救急利用機能を強調するが、それ以外の具体的な活用策は持ち合わせていない。

 両町には、18年の世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産があり、観光客増加に向けアクセスの充実を求める声もある。かつて小値賀空港の定期便をよく利用していた地元の自営業男性(68)は「もったいない。空路がつながれば少ない船便を補える。観光客も増えるはずだ」と話した。

長崎新聞社

最終更新:6/29(木) 10:22
長崎新聞