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<東松山少年事件>うそつかれ集団暴行…動機「友人なのに悲しくて」

6/29(木) 22:39配信

埼玉新聞

 埼玉県東松山市下唐子の都幾川河川敷で昨年8月、吉見町中曽根のアルバイト井上翼さん=当時(16)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死の罪に問われた無職少年(18)の裁判員裁判の第3回公判が29日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)で開かれた。被告人質問で少年は「友人だと思っていたのにうそをつかれ、強い悲しさや悔しさが出てしまった」と事件の動機を述べた。

 検察側によると、井上さんは少年に遊びに誘われた際、実際には東松山市内にいたものの、「大宮にいる」と断わった。この「うそ」が事件の発端となったとされる。

 被告人質問で弁護側に暴力を加えた理由を問われると、「最初はうそをついた理由を問いただそうとしただけで暴力を振るおうとは思っていなかった。被害者が理由を答えなかったので暴力を振るった」と話した。うそが暴力につながった点は「不良仲間、暴力団関係者が周囲にいて、暴力が問題解決の方法だと思っていた」とした。

 検察側は初公判で、井上さんは少年5人に河川敷などで暴行され意識を失った後、起訴された別の少年(17)に河川敷の上流に引きずられ、放置されたと説明していた。検察側にその際の心境を問われると、「もしかしたら殺してしまうのではないかという予想はあった」と供述。救急車を呼ぶことに反対した点については「警察沙汰になるのが怖く、現実逃避してしまった。僕が否定しなければ呼んでいたと思う」とした。

 事件について「大切な命を死なせてしまい申し訳ない。事件の重大さを考え、自分が本気で変われなければ、最低な人間になってしまうという恐怖がある」と陳述。被害者代理人弁護士が、少年が遺族に対し、「私は翼くんに助けられたと思っている」などと記した謝罪文の意味を問うと、「被害者が亡くなってしまったのは申し訳ない。ただ、自分が変われるチャンスをもらえたという気持ちがある。被害者もそれを望んでいると思う」と述べた。

最終更新:6/29(木) 22:50
埼玉新聞