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<東松山少年事件>もう一度抱きしめたかった…遺族の母「反省ない」

6/29(木) 22:45配信

埼玉新聞

 埼玉県東松山市下唐子の都幾川河川敷で昨年8月、吉見町中曽根のアルバイト井上翼さん=当時(16)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死の罪に問われた無職少年(18)の裁判員裁判の第3回公判が29日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)で開かれた。

 「もう一度、翼を抱きしめたかったです。せめて、翼に触れたかったです」。検察側が読み上げた井上さんの母親の陳述書には、16歳で命を絶った息子への思いが並べられていた。

 井上さんが少年5人から暴行を加えられたとされる8月22日未明後、台風9号の影響で現場となった都幾川は増水。井上さんの遺体は翌23日、河川敷で砂利に下半身が埋まった状態で発見された。

 陳述書で母親は「翼が雨の中、一人ぼっちで放置されたと思うと、いてもたってもいられない。雨の日はつらく、台風が来ると胸が苦しくなる」と心境を吐露。井上さんについて「やんちゃだが、周りにかわいがられ、優しい子だった。翼の人生は何だったのでしょう」と記した。

 少年らは救急車を呼ばずに立ち去ったとされる。母親は「なぜ動かなくなった翼を放置したのでしょう。なぜ救急車を呼ばなかったのでしょう」と問い掛けていた。 

 被害者参加制度を利用した井上さんの兄は家族を代表して出廷。ついたての中で「どうしても自分の気持ちを伝えたかった」と参加した理由を述べた。

 井上さんを「翼は兄として慕ってくれ、かわいい弟だった。これから私の人生に翼はずっといると思っていた」と時折声を詰まらせ、「犯人には少しも反省を感じられず、少年院に行っても意味がない。16歳の命を奪われた翼のために、犯人を重く処罰してほしい」と訴えた。

最終更新:6/29(木) 22:45
埼玉新聞