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拝殿彫刻は希少な「飛龍」 砺波の比賣神社

6/29(木) 1:31配信

北日本新聞

 砺波市下中条の比賣(ひめ)神社の拝殿正面にある蟇股(かえるまた)が県内では珍しい「飛龍」をデザインした彫刻であることが、県文化財保護審議会長の長谷川総一郎富山大名誉教授(72)の調査で分かった。同神社の近くに生まれ、大正から昭和初期に活躍した井波彫刻の名工、堀香斧(こうふ)の作品で、平岡隆宮司(65)は「調査で由来が初めて分かった。しっかり後世に受け継ぎたい」と話している。 (砺波支社編集部・石黒航大)

 蟇股は社寺建築の軒下にある建築部材で、カエルが脚を広げた形に似ていることに由来するとされる。安土桃山時代から装飾が施され始めた。

 長谷川名誉教授は県内の社寺にある井波彫刻について研究。5月下旬に比賣神社を訪れ、飛龍を発見した。神社の蟇股の多くは一般的な龍で、鳥のような翼を持つ飛龍は非常に珍しいとし、「砺波地方の神社や寺院はほとんど回ったが、飛龍を見たのは初めて」と驚く。

 堀香斧は礪波郡柳瀬村(現砺波市)出身。平安時代以前に創建された同神社が、現在の社殿に建て替えられた1936年に制作したとみられる。飛龍は水をつかさどるといわれ、蟇股にも2体の飛龍と一緒に波が彫られている。長谷川名誉教授は「香斧は、守り神として邪気を払うとともに古里の治水や五穀豊穣(ほうじょう)を願って作った」と推測する。

 30日に氏子を対象とした飛龍の説明会を開く。平岡宮司は「地域を守りたいという思いで当時30軒程度の数少ない氏子が頑張り、地元出身の名工に頼んだのではないか。先人の思いを大事に継承したい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:6/29(木) 11:25
北日本新聞