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黒田電総会:旧村上ファンド勢の社外取締役案可決、株価は急伸

6/29(木) 15:34配信

Bloomberg

独立系電子部品商社の黒田電気に対し、アクティビストとして知られた村上世彰氏が率いていた旧村上ファンドの関係者らが運営する投資会社レノが提案した社外取締役選任案が、29日の株主総会で可決された。

黒田電は29日午後、株主提案通りに元通商産業省(現経済産業省)官僚の安延甲氏が取締役に選任されたと発表。レノは株主提案の理由として、他社との合併・買収(M&A)や戦略提携などで外部資源を積極的に取り込んで成長する必要性や、コーポレートガバナンスの欠如などを挙げた。今期中に80億円程度の自己株を取得して資本効率を改善し、株主価値向上に努めるべきとしていた。株主総会では会社側が提案した取締役6人も選任された。

黒田電の笹野克広経営企画室長は「先日公表した中期経営計画をやり抜くことが企業価値を持続的に高める最適な手段と確信している。取締役一同、ミッションを果たしていく。新たに選任された安延氏にも取締役としての責務を全うして欲しい」と話した。レノはコメントを控えた。

レノは、アクティビストとして知られた村上世彰氏が率いていた旧村上ファンドの関係者らが設立、運営する投資会社。27日提出の変更報告書によると、共同保有分を含め黒田電の発行済み株式数の約37%を保有する。村上氏らは2015年にもC&Iホールディングスとして黒田電の社外取締役に村上氏ら4人の選任求める議案を提出し、臨時株主総会で否決されていた。黒田電側はことし5月下旬の取締役会で、レノの株主提案に反対することを決議。売り上げ規模の拡大や規模の利益の追求を第一次的な目標とする施策は事業特性にそぐわないなどとした。レノの提案については、議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が賛成意見を表明した一方、グラスルイスは 反対推奨と評価が二分した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券法人ソリューション室の荒竹義文副参事は、アクティビストによる株主提案が通過するのは、09年のアデランスに対する米スティール・パートナーズの株主提案の可決以来だ、と指摘。「株主提案はコーポレートガバナンスに対する意識の高まりから、ここ2ー3年で若干増えている傾向にある」との認識を示した。

株主提案の可決を受け、29日の同社株は一時前日比9.7%高の2436円と、16年5月16日以来の日中上昇率を記録した。終値は4.1%高の2313円。売買代金は約20億円と急増した。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、過去何度もレノの株主還元拡充策が否決されてきたことを挙げ、「今回レノ側の株主提案が初めて通り、今後は他の提案も通る可能性が高まったとして個人などの買いが入った」と述べた。

6段落に識者見解を追記.

Hideki Sagiike, Nao Sano, Tom Redmond

最終更新:6/29(木) 18:03
Bloomberg