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作品飛び出しリアルな世界へ マンガ「夜廻り猫」の魅力 「届かない理想に傷つかないで」

7/3(月) 7:00配信

withnews

 ツイッターで2年前からぽつりぽつりと発表されていたマンガ「夜廻り猫」。「ハガネの女」や「カンナさーん」の作品でも知られる漫画家・深谷かほるさんの作品です。ネット上でじわじわと人気が広がっていきましたが、その反響は、単行本の出版や、手塚治虫文化賞短編賞受賞にとどまらず、読者たちのリアルな出会いやファンアートにまで広がっています。

【画像】えっ…夜廻り猫のキャラが…

平蔵の名前の由来 ファン訪れるカフェ

 漫画「夜廻り猫」は、猫の遠藤平蔵が、心で泣く人の涙の匂いをかぎつけ、その悩みや悲しみにそっと寄り添うお話です。

 遠藤平蔵の名前の由来は、埼玉県川越市にある「Gallery&Cafe 平蔵」。オーナー・遠藤綾子さんが、自宅で飼っているのが「平蔵」といいます。きれいなロシアンブルーです。綾子さんの夫・泰志さんが、深谷さんと同じ福島出身で、知り合いだったこともあり、名前をもらったそうです。

 その縁もあって、昨年3月には、深谷さんの個展が開かれ、大盛況。それからというもの、カフェには、自分が手作りした夜廻り猫のグッズを持って、訪れる人が増えたそうです。

「深谷学級の生徒たち」で作品展も

 綾子さんは、せっかくなら、ファンの作品を持ち寄って個展ができないか、と企画。今年3月に「ファンによる夜廻り猫作品展」が実現し、18人から力作が集まりました。

 作品出展者の住まいは、秋田から兵庫までさまざま。展覧会が始まると、作者たちはもちろん、その告知を見た人たちがカフェに集い、初めて会って、ハグしたり握手したり。綾子さんは「みなさん『わたしたちは深谷学級の生徒たちだよね~』と言って笑っていました」と話します。

 たくさんのキャラクターが登場するフェルト作品を出展した、山形に住むれんさん。
 最初はたんに「かわいいな」と思って漫画を読んでいたそうですが、だんだんとキャラクターに愛着がわき、ハッとさせられるストーリーを読み返すようになって、はまっていったと言います。
 お金とか、地位とか、結婚相手とか、子どもとか……。人は、理想の自分と比べて、何かしら足らないものがあるものですが、れんさんは「夜廻り猫を見ていると、そんな足らない自分でも、それでいいって言われてるような、『届かない理想に傷つかないで おまいさんは頑張ってる』って言われているような気がします」。

 フェルトで猫の人形を作るのは初めてでしたが、深谷さんに渡せたらいいなと考え、練習を重ねて、遠藤平蔵のブローチを作りました。
 深谷さんにプレゼントすると、別の催事でつけてくれたと知って「ありがたかったです」。

 こつこつとキャラクターの人形を増やして、花や紅葉を背景に、写真を撮ってツイッターにアップするようにもなりました。
 「フォロワーの人に、『キャラクターが、リアルに、その辺にいるような感じがします』と言ってもらえるのがうれしい」と話します。

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最終更新:7/3(月) 7:00
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