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アマゾンが独自配送網の構築に乗り出す、予想以上に早い展開

7/3(月) 8:30配信

THE PAGE

 ヤマト運輸の撤退を受け、ネット通販のアマゾンが独自配送網の構築に乗り出しました。同社が独自配送網の強化に乗り出すことは以前から予想されていましたが、思ったよりも早く状況が進展しそうです。

 アマゾンは、有料会員などを対象に注文当日に商品を届ける「当日配送のサービス」を実施しており、これまでは、対象となる荷物の多くをヤマト運輸に依託していました。しかし、ヤマトは人手不足などへの対応から値上げの実施と、当日配送から撤退する方針を示していました。アマゾン側はサービスの水準を落とすか、新しい配送網を構築するかの二者択一を迫られましたが、大方の予想通り、自社での配送網確立に舵を切ることになりました。

 東京都心部では丸和運輸機関と提携。同社が個人の運送業者を組織化し、配送業務を担います。丸和運輸機関は、厳密にはヤマトや佐川といった運送会社ではなく、物流網の構築を望む顧客に対して、最適なシステムの構築をアドバイスし、その業務の一部を請け負う企業です。個人事業主として配送を行っている人を2020年までに1万人確保し、アマゾン独自の当日配送網を作り上げます。

 問題は人手不足といわれる中で、1万人のドライバーを確保できるかという部分ですが、業界ではあながち不可能な話ではないとの見方が大半です。というのも、大手運送会社からの下請けで運送業務を行う個人事業主はかなりの数にのぼっており、その多くは、採算ギリギリの厳しい条件が課されているとも言われます。アマゾンが提示する料金は、大手企業で人件費の高いヤマトにとっては厳しい条件だったかもしれませんが、大手の下請けをしている個人の運送事業者にとっては、むしろ好条件というケースも出てくるでしょう。

 ただし、無数の個人をネットワーク化し、品質を同一に保つことは容易ではありません。今回の取り組みは、基本的に丸和側の投資負担で行われると報道されていますが、最終的にはITシステムの整備などを含めてもっと大きな投資が必要となる可能性もあります。場合によってはアマゾン側が投資資金を負担することもあるかもしれません。

 ちなみに米国のアマゾンはさらにもう一段階先を行っています。アマゾン自身がシステムを構築し、シェアリング・エコノミーを活用することで一般人を配送要因としてネットワーク化する試みを行っているのです。今のところ一部都市のみでの対応ですが、スマホ・アプリを使って一般人が配送を請け負い、アマゾンから料金をもらう仕組みが稼働しています。ゆくゆくは、日本でもこうしたシステムが導入されていくでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/8(土) 6:12
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