ここから本文です

【のびやかに・浜木綿子】(19)意外な特技 浜流、子役との向き合い方

6/30(金) 15:02配信

スポーツ報知

 私には、ちょっとした特技があります。子役を育てること。短い期間でも共演すれば、自分で言うのも何ですが、見違えるように変わって巣立っていきます。役の大小にかかわらず、出演が決まれば、幼くてもプロ。「まだ子供だから」は許されません。はっきり言って、相当厳しいです。

 1日初日の舞台「売らいでか!」(博多座)にも、私と親子を演じる女の子が2人います。今作はセリフが標準語でなく関西弁のイントネーション。言葉を覚え、体になじませ、役になって使えるよう、食らいついてがんばっています。

 子役が必要なとき、制作サイドや演出家が最初に決めていることも。でも私は、できる限りオーディションをお願いし、そこに立ち会ってきました。どんな子が来てくれるのか気になりますし、私自身の役づくりも、その時から始まり、新しいことに気づかせてくれるからです。

 いきなり、ふるいにかけることはしたくありません。わずか数時間の間にも、仲間の演技に刺激を受け、成長を見せる子もいます。無限の可能性を秘める子供のひたむきさ、純粋さ。逆に、教えられているのは私の方なのです。

 最終的に落ちて出られなかったとしても、ひとつの出会い。大きくなって、この日のことを思い出すかもしれません。集まった子たちには、最後に言います。「今回、作品の役に合うかどうかを、見せてもらいました。ここであなたたちの、うまい下手を決めたわけではありません。これからもお芝居を好きでいてほしい」と。

 ステージママは、増えていると思いますね。でも、就学前から仕事上での“当落”は、過酷です。プレッシャーや期待を背負い、親にほめられたい一心で、がんばっている子も、少なくはありません。

 役に決まり、稽古中、急激に演技がうまくなる子を時々見かけます。なぜそんなに上達したのかを聞くと「学校を休みました」と言います。それが自分の意志なら構わないかもしれません。でもやっぱり学校は一番大事です。本末転倒しては後々、どこでひずみが生じるか分かりません。

 また親御さんが早々に「この子は○○が苦手です」と“欠点”を伝えにこられることもあります。でも、すべてにおいて成長の過程。親に無理だ、と決めつけられれば、子供のやる気は死んでしまいます。例えば運動が苦手なら、一生直らない、と思い込むのでなく、少しずつ変わろうとする努力を身につけてほしいのです。

 これを読んでおられる方から「同じことを息子にもやったのか?」と突っ込まれそうですね。照之の演技に口を出したことは、ほとんどありません。子供時分は、芝居でなく何しろ、昆虫に夢中でしたから。しかも、デビューした直後。私が、何か少し言おうとしたら「僕には僕の演出家がいますので」と、やんわり断られてしまいました。(構成 編集委員・内野 小百美)

最終更新:6/30(金) 21:03
スポーツ報知