ここから本文です

トンボの聖地、次世代と守る 磐田・桶ケ谷沼で子ども向け自然塾

6/30(金) 17:10配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 磐田市の桶ケ谷沼の環境保全団体「桶ケ谷沼を考える会」が、全国有数のトンボ生息地の自然環境を次代に残そうと、児童生徒向けの環境学習講座「おけがや自然塾」を開講した。同会発足から30年がたち、会員の高齢化も懸念される中、「子どもたちに桶ケ谷沼の多様な自然を知ってほしい」と希望をつなぐ。

 6月中旬に開かれた自然塾の初回では、9人が沼の周辺を散策し昆虫を観察。参加者は水辺でヤゴを見つけ、「これはどのトンボの幼虫か」などと積極的に質問した。同市の豊田北部小2年の男児(7)は「シオカラトンボのヤゴを見つけ楽しかった」と喜んだ。

 本年度は月1回程度、生息する生物や植物を観察するほか、隣接する鶴ケ池との環境の違いや外来種の影響についても学ぶ。

 同会は1986年、市民団体や行政、地元住民らが意見交換する市民会議として設立。地元のNPOや生物研究グループと連携し、水生植物の保護や天敵駆除、いけす設置などトンボを中心に生育環境の保全に取り組んできた。

 塾開講は同会メンバーらが昨年10月に和歌山県で開かれたトンボの学会への参加がきっかけ。地元児童らがトンボの観察小屋の管理に取り組む様子を見学した今村信大理事長(69)は、従来の大人や専門家主体の活動から、子どもが積極的に関わる活動への移行を意識した。

 今村理事長は「多くの種類のトンボが飛び、豊かな自然のある桶ケ谷沼を守りたい。多くの市民にこの沼に誇りを持ってほしい」と塾での子どもたちの成長に期待する。



 <メモ>桶ケ谷沼 磐田市東部の岩井地区の沼で、外周1.7キロ、面積7.4ヘクタール。トンボ約70種や野鳥約150種などが生息し、絶滅危惧種のベッコウトンボの国内最東端の生息地として知られる。1989年、開発による環境破壊を防ぐために市民団体や自治体が土地を買い取る「ナショナルトラスト運動」の一環で、県が沼と周辺の土地計約50ヘクタールを買い取った。「桶ケ谷沼を考える会」などの地元自然保護団体や研究者が協力し、沼の環境保全に努める。

静岡新聞社