ここから本文です

新種の深海生物化石 南知多の地層から発見

6/30(金) 8:40配信

岐阜新聞Web

 岐阜県瑞浪市化石博物館(同市明世町山野内)は29日、1983年から93年にかけて、愛知県南知多町にある約1800万年前の地層で発見された深海生物の化石が、ヤドカリの仲間のシンカイコシオリエビ科の新属新種と分かった、と発表した。同館によると、同科の化石が発見されるのは珍しい。
 採取したのは東海化石研究会に所属する水野吉昭さん(64)=名古屋市=、今井良宏さん(62)=愛知県瀬戸市=、牧口貴久さん(56)=同県安城市=。3人の名前や甲羅の形がてんぐに似ていることから属名を「ミズノテングス」、種名を「マキグチマイ」、和名を「ミズノテングエビ」と名付けた。
 発見された化石19点のうち、牧口さんの14点は約570立方センチの岩の塊から見つかった。深海生物は通常、低密度で生息しており、シンカイコシオリエビ科の化石が高密度で発見されるのは日本で初めてで、世界でも数例という。
 体長は約20センチ。甲羅に隆起線や条線がなく、甲羅が先端にすぼまるような洋なし型で表面に多数のとげがあった。シンカイコシオリエビの従来の属種は甲羅に対し腕と爪の長さが2倍だが、今回発見した化石は3倍あった。同館は3人から化石の寄贈を受け、カニやエビの化石に詳しい安藤佑介学芸員と柄澤宏明学芸員が新種新属だと判断した。
 高密度で確認されたことから、海底の熱水噴出孔やクジラの骨、木の周りなど特殊な条件下で生息していた可能性があるという。安藤学芸員は「深海は水圧が高いため、化石はばらばらの状態で発見されることが多いが、今回は保存状態がいい」と話した。
 発見した水野さん、牧口さんは記者会見し「自分の名前が付くのはとてもうれしい。アマチュア冥利(みょうり)に尽きる」などと喜びを語った。化石の一部は、7月1日から9月24日まで同館で公開される。
【シンカイコシオリエビ科】ヤドカリと同じ異尾下目で、姿形がエビに似ているが、エビではない。日本近海の深海には同科のヨロイシンカイコシオリエビやツノナガシンカイコシオリエビなどが生息している。

岐阜新聞社

最終更新:6/30(金) 10:11
岐阜新聞Web