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「コレステロール値上げる」は誤解! たまご業界、名誉挽回へ

6/30(金) 14:46配信

健康産業新聞

 「完全栄養食品」と言われ、良質なアミノ酸やビタミン、ミネラルなどを豊富に含むたまご。コレステロールの摂取基準が見直されたことで“悪役”のイメージが払拭されはじめたことも追い風となり、1人あたりの年間消費量は約330個と前年調査よりも1個増加した。さらなる消費拡大へ向け、鶏卵メーカー各社、関連団体は普及活動など取り組みを進めている。ビタミンやDHA・EPA、葉酸などの栄養を強化したプレミアムエッグの需要も年々増加しており、待望の機能性表示食品誕生にも期待がかかっている。

■「風評被害」払拭?

 日本国内の 1 人あたりの年間たまご消費量は約330個。日本国民の総人口が減少する中、前年の229個から 1 個増と市場は堅調に推移している。その要因の一つとして、たまごが受けていたコレステロールに関する“風評被害”が払拭されはじめたことが挙げられる。

 近年の研究によって、たまごなどの食事で摂取したコレステロールが体内で生産されるコレステロール値を調整する働きがあることが判明。加えて、食事で摂取したコレステロールと血中コレステロールの間に明らかな関連性を示すエビデンスがなく、人間の体を構成する細胞膜のもとになることや胆汁酸に変化し消化吸収を助けることなど体にとって必要不可欠な成分であることが明らかとなった。

 2015年 2 月に米国農務省(USDA)が一般国民向けに発表した「米国人の食生活指針」では、コレステロールの摂取制限を削除し、これに続く形で同年 4 月、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準2015」でも、健常者に限りコレステロール摂取量の上限値を撤廃。これまでコレステロール値を上げる「悪役」として捉えられていたたまごが名誉挽回へ向けて動き出している。

 とはいえ関係者によると、一度貼られた悪いレッテルを完全に消し去ることは難しく、未だ「たまごは 1 日 1 個まで」と誤解している人も多いという。鶏卵メーカー各社・業界各団体は、ホームページや冊子配布、イベントなどを通じて、コレステロールとたまごの関係性や、豊富な栄養素を含むたまご摂取の健康効果をPRし、イメージ回復と消費拡大を図っている。

■妊活たまごも登場

 ビタミンやミネラルのほか、人体では作り出すことができない 8 種類の必須アミノ酸などを含み、「完全栄養食品」と言われるほど優れた栄養価を誇るたまご。高栄養価ながら安定した価格で気軽に食べられるだけでなく、生卵からメイン料理まで自在に形を変えられる扱いやすさも魅力だ。超高齢化社会が到来し、高齢者の低栄養が問題視される中、豊富な栄養素かつ良質な動物性たんぱくを摂取できるたまごは、健康寿命延伸をかなえる食材としても期待されている。

 鶏卵メーカー各社は、元来の高い栄養価にプラスし、飼料や飼育方法を工夫することでDHAやEPA、CoQ10、ビタミン、ミネラル、葉酸など栄養成分を強化した高付加価値製品を開発。スーパーや自然食店などの店舗販売はもちろん、宅配や通販など販売チャネルを拡大している。高付加価値たまごは割高感があるものの、葉酸やビタミンを強化した“妊活たまご”など、訴求を絞った製品を中心に需要は年々増加しているという。このほかアスタキサンチンやルテイン、セサミンなどが配合された“スーパーエッグ”も開発が進んでおり、その数1,000アイテム以上とも。高付加価値たまごが市場の活性化にひと役買っている。

■気になる機能性表示への動きは?

 栄養豊富で優れた健康機能を持つたまごの機能性研究は、国内外で活発に行われている。卵黄リン脂質の脳への働きほか多様な機能性、卵白ペプチドの抗疲労効果、抗メタボ、抗老化、抗炎症作用、発毛・育毛効果など、様々な研究成果が関連学会や「タマゴシンポジウム」などで報告されている。

 機能性表示食品に関して、一部企業で届出へ向けた取り組みが進められているとの情報もあるが、未だ受理された企業はない。食卓に欠かせない存在のたまごに健康機能が表示できれば、大いに話題になることは間違いない。

健康産業新聞

最終更新:6/30(金) 14:46
健康産業新聞