ここから本文です

軍艦島桟橋建設写真 後藤長崎大名誉教授が発表 工法伝える資料

6/30(金) 10:04配信

長崎新聞

 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である長崎市の「端島炭坑」(軍艦島)で「ドルフィン桟橋」を建設している昭和30年代の写真が見つかり、長崎大名誉教授、後藤惠之輔さん(75)=福岡市=が29日、長崎市役所で記者会見して公表した。

 ドルフィン桟橋は、海中に造成した人工島に橋を渡した離岸式桟橋。悪天候でも船が接岸できる利点があり、1954(昭和29)年に国内で初めて軍艦島に整備された。56(同31)年と59(同34)年の2度、台風で流出し、現在の桟橋は62(同37)年完成の3代目。人工島はコンクリート製で、長さ25メートル、幅12メートル。建設当時の資料が少なく、高波など厳しい条件の下、人工島をどのように造成したのかは不明だった。

 後藤さんは2010年ごろ、昭和30年代の軍艦島で撮影された約70枚の工事写真を入手して研究。うち7枚が3代目の桟橋を建設中の写真で、クレーン船で鉄骨を海中に設置したり、潜水した作業員が水中で工事をしたりする様子が写っていた。後藤さんは写真を分析した結果、陸上で大部分を組み立てた鉄の型枠を海中に設置し、特殊なモルタルを注入して人工島を作り上げたと推測した。

 一般的なコンクリート構造物の耐用年数は50~60年とされる。後藤さんは「大型台風が来れば軍艦島観光の命綱といえるドルフィン桟橋がいつ壊れてもおかしくない。建設時の工法を解明できれば、再建する場合に参考になる」と話している。

長崎新聞社

最終更新:6/30(金) 10:04
長崎新聞