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デジタルとアナログの見事な融合!CECのCDトランスポート・1

6/30(金) 11:31配信

Stereo Sound ONLINE

作曲家、音楽家、録音エンジニア、オーディオ評論家の生形三郎さんが、気になるオーディオ製品をレビュー。ここでは、CECの新CDトランスポート「TL3 3.0」・その1についてお届けする(Stereo Sound ONLINE)

デジタルとアナログの見事な融合!CECのCDトランスポートTL3 3.0



CDトランスポート
CEC TL3 3.0
価格:¥230,000(税別)

■独自のベルトドライブ方式を採用する孤高の存在

 ベルトドライブCDプレーヤー及びトランスポートとは、その名のとおり、スピンドル部の回転駆動を、ベルトを介して行なう機器である。つまり、アナログターンテーブルにも使われているそれと同じ駆動方式を持つのだ。通常CDプレーヤーは、モーターとスピンドルが直結した、ダイレクトドライブ方式を採る。しかし、CECは、そこに世界で初めてベルト駆動方式を採用した。

 CECのベルトドライブCD再生機器の歴史は、1991年にまで遡る。それまで同社がレコード・ターンテーブルで培った技術を、CDトランスポートの駆動に応用。そうして誕生したのがTL1で、後にTLシリーズとして受け継がれていく。

 ベルト駆動は、スピンドルとモーターを分離して動作時の不要振動の排除を狙う、画期的かつ独創的な機構だ。本機は、そんな同社の伝統とも言えるベルト駆動を継承し、さらにフラッグシップ機であるTL0 3.0など同様に、ピックアップ部もベルトドライブで移動させる、ダブル・ベルトドライブ方式を採っている。

 本機はトップローディング方式のCD再生専用機となる。天板中央のスライド式ドアを手動で開き、ターンテーブルにCDを置く。さらに、その上に付属の真鍮製CDスタビライザーを載せて再生する。このスタビライザー、質量が380gと重量級で、駆動の邪魔になるように思える。だが、この重さが肝。ターンテーブル全体の質量を高め、慣性の力を利用し、滑らかで安定した回転を得ることができるようになるのだ。

 また、純粋なCDトランスポートであるため、本機にDACは搭載されていない。デジタル出力は、COAXIAL(同軸デジタル)、TOSLINK(光デジタル)、AES/EBUの3系統に加えて、同社独自仕様であるSUPERLINKを備える。

 SUPERLINKは、音楽信号とクロックなど同期信号を独立ラインで伝送する同社独自の方式。4本のBNCケーブルを用い、マスタークロックとBITクロック、L/Rクロック、DATA(音楽信号)をそれぞれ分離してコンバーターへ送る。ただし、接続できるのはCEC製対応DACのみとなる。

 他にも、本機はワードクロック入力を装備する。SUPERLINKとの併用はできないものの、別途マスタークロックを用意すればDACとのシンクにも対応する。

 機能面で進化したのは、DACに出力する信号のアップサンプリング機能が搭載されたこと。CD品質の44.1kHz/16bitに加えて、88.2kHz/24bitと176.4kHz/24bitでも再生も楽しむことができる。ただし、この機能もSUPERLINKとは同時に利用できない。

(まるでレコードの音!? 試聴編へつづく)

【生形三郎(うぶかたさぶろう)】
作曲家、音楽家、録音エンジニア、オーディオ評論家。東京藝術大学大学院修了。音楽家の視点を活かした、独自の録音制作およびオーディオ評論活動を展開している。「オーディオ=録音⇔再生」に関する、多角的な創造・普及活動に取り組む。自宅アトリエでは、自作の4ウェイおよびフルレンジをメインスピーカーに据えるこだわり派。今春より東京電機大学理工学部で講師を勤める。

Stereo Sound ONLINE / 生形三郎

最終更新:6/30(金) 11:31
Stereo Sound ONLINE