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日欧EPA きょうから閣僚協議 交渉難航、農相出席も

6/30(金) 7:01配信

日本農業新聞

 岸田文雄外相は29日、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉で、マルムストローム欧州委員(貿易担当)と30日から2日間、東京都内で閣僚協議を行うと発表した。これまでの事務レベル協議で欧州側は、チーズの関税撤廃を求めるなど強硬姿勢を崩していない。脱脂粉乳やバターなどでも大幅な市場開放を求めているもようで、交渉は難航。閣僚協議に格上げする。安倍晋三首相が7月上旬の大枠合意に強い意欲を示しており、農産品関税を含め重大な政治判断に踏み切る可能性がある。交渉は大詰めを迎える。

 マルムストローム氏はホーガン欧州委員(農業・農村開発担当)と共に30日夕に来日する。閣僚協議には必要に応じて、ホーガン氏と山本有二農相が同席する。

 日欧は7月6日にベルギーのブリュッセルで予定する安倍首相とトゥスク大統領、ユンケル欧州委員長との定期首脳協議で大枠合意する青写真を描く。これを念頭に岸田外相は記者団に「なお難しい課題が残っている。大変厳しい交渉になると思う。与えられた時間は最大限有効に使ってぎりぎりまで交渉したい」と述べた。

 閣僚協議は2日間の予定だが、難航分野は「予想以上に隔たりが大きい」(交渉筋)。EUが合意前に加盟28カ国の了解を取り付けなければならないという事情もあり、日程が限られる中で今回合意に達するかどうかは予断を許さない。

 農業分野で最大の焦点となっているのが乳製品だ。欧州側は、日本への輸出拡大を狙うチーズについてソフト系、ハード系を問わず幅広い品目で関税撤廃を要求。政府内には、チーズの関税区分を細分化して国内への影響が少ない品目を中心に譲歩する案も浮上しているが、環太平洋連携協定(TPP)を超える譲歩をすれば、今後の日米経済対話やTPPに悪影響が出る恐れが大きく、与党内には慎重な対応を求める声が強まっている。

 交渉筋によると、欧州側は脱脂粉乳やバター、ホエー(乳清)といった乳製品でも大幅な市場開放を要求。さらに、豚肉やパスタ、チョコレート菓子、木材製品、ワインといった関心品目に加え、これまで関心が低いとみられていた米や牛肉まで交渉の俎上(そじょう)に載せ、乳製品などで日本の譲歩を引き出すための「取引材料になっている」(交渉関係者)。

 自民党は29日、日EU等経済協定対策本部第4グループ(農林水産)の会合を開いた。出席議員からは、合意ありきで安易な譲歩をしないよう政府にくぎ刺す意見が相次いだ。

日本農業新聞

最終更新:6/30(金) 7:01
日本農業新聞