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東京製鉄が「長期環境ビジョン」、電炉鋼材で循環型社会実現

6/30(金) 6:02配信

鉄鋼新聞

 東京製鉄は2050年に向けた長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」を策定した。日本が掲げる温室効果ガスの削減目標(50年に80%削減)を達成するには、日本全体のCO2排出量の15%を占める鉄鋼業における排出削減の取り組みが不可欠と指摘。鉄スクラップを主原料とする電炉鋼材は高炉材に比べCO2排出量が4分の1であり、東鉄はその普及拡大と再資源化のループ構築によって50年の「あるべき姿」とする「低炭素・循環型」社会を実現していく決意を同ビジョンで表明した。

 数値目標も30年と50年に分けて設定。自社のCO2排出量原単位を13年度比で30年に40%減、50年に80%減を目標としたほか、東鉄の生産量に相当する国内鉄スクラップ購入量では30年に600万トン、50年に1千万トンを目指すとしている。
 同ビジョンは28日開催の取締役会で決定したもの。地球温暖化対策と資源の有効活用が世界的な課題となる中、東鉄では「低炭素・循環型社会」の実現について、電炉メーカーとして高炉と競合するH形鋼や鋼板など新分野への挑戦を続けてきた「自らが先頭に立って取り組むべき課題だ」と位置付けた。
 日本のCO2排出量は14年度で約12億7千万トン。その15%(約1億9千万トン)を国内鉄鋼メーカーが排出し、製造業の中でも最も多い排出量のため、東鉄では「排出削減について鉄鋼メーカーはどの産業より大きな責務を負うべき」としている。
 また、鉄鋼部門のCO2排出量の90%は高炉メーカーから排出されているとした上で、電炉鋼材は高炉材に比べ粗鋼生産1トン当たりのCO2排出量が4分の1以下で、原料の輸送を含めればCO2排出量は「高炉材より断然少なくなる」と指摘。電炉鋼材を高炉材に代替することによって、日本の鉄鋼業としてのCO2排出量削減に貢献できるとした。
 貴重な国産資源である鉄スクラップの循環利用を促進するため電炉プロセスによる「再資源化ループ」と電炉材を活用する市場の「再生利用ループ」によって構成される「鉄のクローズドループ」も構築。これを「より太く・強固なものにしていく必要がある」との考えも示している。
環境ビジョン掲載、HPリニューアル
 東京製鉄は28日、ホームページの「環境情報」をリニューアルした。環境への取り組みについて「わたしたちの決意」と題して西本利一社長のメッセージや、長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」について詳細などを掲載している。

最終更新:6/30(金) 6:02
鉄鋼新聞