ここから本文です

「社長」西川貴教が語る、ピンチをチャンスに変えたネガティブ力

6/30(金) 10:01配信

BuzzFeed Japan

西川貴教さん。T.M.Revolutionとしてヒット曲を連発する彼にはもう一つの顔がある。「経営者」だ。自らが社長を務める事務所で、イベントなどを手がけ、マネジメントを取り仕切る。表現もビジネスも原動力になっているのは「根っからのネガティブな性格」だという。なぜ一見、マイナス要素しかないネガティブな性格がプラスに転じるのか?【BuzzFeed Japan / 石戸諭】

スーツを着る理由

東京都内、指定された会議室に西川さんが入ってきた。

濃いグレーのチェック地できめた三つ揃いのスーツ、グレーの線がはいったストライプシャツ、ネクタイもグレーを基調に統一している。

挨拶をしながら「スーツなんですね」と話しかけると、西川さんは軽く笑いながら「最近、スーツが増えましたね。アーティストの顔だけなら楽なんですけど、仕事柄、いろんな方と会いますからね」と答えてくれた。

表情は、テレビで見せている「親しみ深い明るいキャラクターのアーティスト」ではなく、ビジネスを手がける「経営者」のそれだ。

西川さんの新刊『おしゃべりな筋肉』(新潮社)には、明るいイメージとは異なるこんな言葉がある。

僕は根っからネガティブな性格。
“悔しさ”こそが次に向かう自分の原動力、燃料になる(中略)他人に嫉妬心を抱く自分のことを「ネガティブな性格がダメ」だと悲観することはありません。
前向きに生きよう、という声はたくさん聞くが、その真逆にある後ろ向きな感情を肯定する。

一体、どういうことなのだろうか?

早速、質問を投げかけると、西川さんは冷静な表情になり、間髪入れずにこんな話をしてくれた。

「いい曲を聴くと、いつも悔しい。嫉妬ばかりですよ」

---------------------------------
今でも、他のアーティストのいい曲を聴いたり、いいライブを観たりすると、いつも悔しいなぁと思いますよ。嫉妬ばかりですよ。

僕も含めて、誰もが天才に憧れるじゃないですか。でも、僕は天才じゃないから、願っても、願っても天才の力は手に入らないんです。自分にはできない。

経営者も同じで、ワンマンで個性が強くて奔放で……。でも、みんなから憧れられる人もいる。

これも自分にはできない。そういう人を見ると、僕はこんなマジメにやっているのになぁって思って羨ましくなる。

そこで、こう問いかけるんです。

じゃあ、自分はどんなことをやりたいのか?

天才と同じことがやりたいのか?

いや、違うと。自分のやりたいことをやるために、何をするのかを考える。

そしたら、自ずと天才とは違う部分を伸ばそうと思えるんですよ。天才とは比較しない。自分ができることを考える。そのほうが生産的ですよね。

「羨ましいな、悔しいな。あんな力がほしいな」と思っても、その後に待っているのは諦めだけです。

「あのアーティスト良かったから、次もライブに行こう、アルバムを買おう。あの経営者すごいな」で終わりなんですよね。

こんな考えになったら、経営者もアーティストもやめたほうがいい。

僕みたいに、すぐに他人を羨ましいと思ってしまうネガティブな人間は、徹底して、自分がやりたいことを考えて、それを実現させるために何かを積み上げていくしかないんです。

自分の魅力や良い部分ってどこなのかを考えて、伸ばしていく。できないことや、足りないところがあってもいい。だって天才じゃないんだから。
----------------------------------

1/5ページ

最終更新:6/30(金) 10:01
BuzzFeed Japan