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「ドーン」と鈍い音 ミンククジラにもり命中 網走沖の調査捕鯨ルポ

6/30(金) 11:14配信

北海道新聞

網走港から1時間20分 尾ヒレ発見

 将来的な商業捕鯨の再開を目指し、オホーツク海を回遊するミンククジラなどを対象にした調捕鯨が網走沖で18年ぶりに行われている。水産庁は28日、調査捕鯨船「第8幸栄丸」(32トン、乗組員6人)の同乗取材を許可した。網走市政記者会の代表取材班に加わり、船上から調査捕鯨の現場を見た。

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 「スロー」「ストップ」。網走港を出航してから1時間20分後の午前10時20分、港から北に進んだ沖合で乗組員がミンククジラの尾ヒレを見つけ、船内放送で船長に伝えた。船長はエンジンを止め、砲手が船首に固定している捕鯨砲の前に立つと、船内の緊張感が一気に高まった。

体長7・5メートルの雄を甲板に

 水中のクジラの動きを砲手に伝えるため、別の乗組員が目で追いながら声を張り上げる。「ちょい左」「はい、出てくるよ」。声を頼りに、砲手は捕鯨砲を左右に動かし続け、発見から10分後の10時半ごろ、船首右の水面に姿を見せたクジラにもりを発射した。「ドーン」と鈍い音と火薬の煙が広がり、船全体に揺れが伝わった。もりはクジラの右ヒレに命中。船は旋回してクジラを船尾に寄せ、午前11時に乗組員が体長7・5メートルの雄を甲板に引き揚げた。

陸揚げ時に警察官が立ち会い

 網走沖での調査捕鯨は1999年以来。水産庁が昨年策定した調査計画を受け、今月13日に始まった。同日は商業捕鯨が中断した87年以来、30年ぶりにミンククジラが網走港に水揚げされた。

 ただ水産庁は捕獲場所や乗組員の氏名など詳細を明らかにしなかった。「反捕鯨団体による調査の妨害行為を避けるため、生息場所を特定できる情報の公開を制限している」と話す。同日の陸揚げ時には警察官が立ち会い、解体作業も非公開とするなど現場は終日、緊張感に包まれていた。(光嶋るい)

北海道新聞

最終更新:7/25(火) 15:56
北海道新聞