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化粧品OEM好況も、8割の企業が人手不足

6/30(金) 14:58配信

健康産業新聞

 本紙編集部が化粧品受託製造企業150社(有効回答64社)を対象に実施した取材およびアンケート調査の結果、今年下半期の経営見通しについて65%が「良くなる」と回答、「悪くなる」は3%にとどまり、業界が先行きを楽観視していることが分かった。昨年度の売上高では、73%が前年比増収を達成しており、今年度の業績予想でも75%が増収を見込んでいる。一方で、8割の企業が人手不足を感じており、パート労働者の時給アップや福利厚生の充実などが求められている。ライン自動化による省人化を進める企業も一部にはあるものの、人手不足はタイトな状況が続きそうだ。

■上半期の経営状況、半数が「良かった」

 今年 5 月下旬から 6 月上旬に実施したアンケート調査では、回答した64社の化粧品受託製造企業の2017年上半期の経営状況は、「良かった」と回答した企業が半数を占め、「悪かった」と回答した企業は10%にとどまった。背景には新規案件および新商品の増加や、既存企業の伸び、海外案件の増加などの声が聞かれた。

 下半期に向けても、リピート率の向上やリニューアル予定のほか、メーカーのアウトソーシングが進んでいることなどを背景に、65%が「良くなる」と回答、「悪くなる」は 3%にとどまった。昨年度の売上高は、73%の企業が増収となっており、そのうち約半数が二桁増となった。今年度の売上予想では、75%が増収を見込んでおり、業界全体で楽観的な見通しが広がっているようだ。

■インバウンド堅調 輸出増で国内活況

 今回実施したアンケート調査では、海外からの受注に関して約7割の企業が「受注あり」と回答。依然として中国がトップだが、台湾も25%と好調で、米国も微増となった。一方の東南アジアは後退している。

 インバウンド需要については、「一時の勢いはないが、着実に定着している」、「(インバウンドの影響で)急な発注が多くなっており、生産日程に苦慮している」などの声が聞かれ、堅調に推移しているとみられる。

 また最近の傾向として、“Made in Japan”の商品を輸出販売するケースが目立っており、「国内で生産し日本語のパッケージで海外販売」、「(直接ではないが)国内メーカーが輸出用として販売する受託依頼が多い」など、日本製商品の輸出が活発になっている様子がうかがわれる。

 日本化粧品工業連合会(粧工連)が財務省貿易統計からまとめた資料によれば、2016年に日本の化粧品輸出額は2,676億円(前年比28.8%増)となり、化粧品輸入額(2,292億円・同3.7%減)を初めて上回った。そのため、資生堂やコーセーなど大手化粧品メーカーでは国内生産能力を増強、その影響が受託製造企業にも広がっているとみられる。

■8割の企業で人手不足 自動化進まず

 好調な業績が目立つ一方で、8 割の企業が人手不足を感じている。しかし、一部の大手メーカーで見られるようにロボットを導入している企業は全体の 3 %にとどまり、「検討中」も23%に過ぎない。74%の企業が「予定なし」と回答しており、省人化の目途は立っていないようだ。

 そのため、各企業では人手不足解消に向けて様々な取組みを進めている。今回の取材では、「パート労働者の時給アップ」や「賃金体系の見直し」、「福利厚生の充実」が多く聞かれたほか、「外国人労働者の活用」、「非生産部門の社員を工場ヘルプに使う」などの取組みを進める企業もあった。

健康産業新聞

最終更新:6/30(金) 14:58
健康産業新聞