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松岡良明賞に岡山労災病院岸本氏 中皮腫の治療・研究に尽力

6/30(金) 22:12配信

山陽新聞デジタル

 山陽新聞社会事業団(松田正己理事長)は30日、がん撲滅に功績のあった個人、団体をたたえる「松岡良明賞」の本年度受賞者を、岡山労災病院(岡山市南区築港緑町)副院長の岸本卓巳氏(64)に決めた。9月8日、山陽新聞社(同市北区柳町)で表彰状と賞金100万円を贈る。

 岸本氏は、アスベスト(石綿)の吸引で起きる悪性がんの一種、中皮腫の治療・研究に30年間にわたり尽力。これまで500例以上を診察し、中皮腫の診断基準や石綿肺がんの認定基準の策定に関わってきた。

 石綿被害が社会問題化した2005年には厚生労働省研究班代表として全国調査を行い、中皮腫患者の7割以上に石綿の影響があったと初めて確認した。09年からは、労災対象外となった患者の被害を検討する国の判定医として患者の救済を進めてきた。

 国は17年度中に全国唯一の研究拠点・アスベスト関連疾患研究センターを岡山労災病院内に設ける予定。今後は同センター長として石綿繊維の測定、新たな診断手法の開発など中皮腫研究のけん引役を担う。近年はモンゴルや中国にも赴き、適切な治療や診断技術の普及に努めている。

 同賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設され、今回が22回目。審査は岡山県健康づくり財団(石川紘理事長)が行い、山陽新聞社会事業団が決定している。