ここから本文です

【ウルトラセブンを創った人たち】(10)放送開始前に基地は爆破

6/30(金) 15:00配信

スポーツ報知

 セブンの特殊美術のチーフデザイナー・池谷仙克(のりよし)が手掛けた大きな仕事の一つが、地球防衛軍極東基地=ウルトラ警備隊基地のセットを組んだことだ。湖の部分を造り、奥に富士山を描き、滝もあって…この地形は箱根を意識して造ったそうだ。

 ウルトラホークがリフトアップされる時に目にする、精巧に造り込まれた基地内部。一部、外枠などは鉄製だったが、基本的には木工で造られていた。そこに着色し、電球などを埋め込んでいった。特撮部分の撮影が放送に追いつかなくなり、途中で番組を終了することを余儀なくされた前作「ウルトラマン」の反省から、ドラマ部分の本編撮影に先立って、基地からホークが発進するシーンなどを撮りだめした。

 「本編撮影が始まるまでの1か月くらいは、基地の特撮シーンに掛かりっきり。セットは僕が組んだのですが、120~150坪くらいの大きさの所に設置しました。3週間くらいかけて、山が開いてホーク1号が発進したり、滝の中から3号が飛び出してきたり…いろいろなセットを組んで、さまざまなシーンを撮った。でも、撮りだめした画(え)に、それぞれの話がうまくはまるか、というとそうでもなくてね。一話一話、話に合わせて撮るのが本当でしょうが、その都度セットは組めませんから。夕焼けの中とか、夜明けとかのシチュエーションでも撮影したんですが、使い道がなかったり…」

 我々が見慣れたホークの発進シーン。だが、この警備隊基地のセットは、基地の撮影終了時に“爆破”されていたのだ。セブンの放送が始まった段階では、もう、この世に存在していなかったことになる。

 「セットをばらす(壊す)とき、『どうせなら基地が破壊されるシーンも撮っておこう』ということになりましてね。いつか、そういうシーンで使うんじゃないかと…」(池谷)。
 このシーンは最終回「史上最大の侵略 後編」の中で、ゴース星人の円盤に攻撃されて炎上する基地の場面で使われることになる。=文中敬称略

 ◆発進シーンの声は…

 発進シーンをよりリアルにした演出が「フォースゲート、オープン」「クイックリー、クイックリー…レッツゴー!」などの満田★(かずほ)監督のナレーション。「声優を呼んで録音したんですが、録音担当者が『演技指導をしていた監督の声の方がいいな』と言い出して…。『基地内のアナウンスのパターンは幾つかあっていい』と思ったのですが、結局は僕のものしか使っていなかった」。また、ホーク1号の飛行音は実際の戦闘機の音を加工して作られた。
★=のぎへんに斉

最終更新:6/30(金) 15:00
スポーツ報知