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貸しオフィスビルに再生 閉鎖10年、佐賀市の「旧西沢ビル」

6/30(金) 14:52配信

佐賀新聞

 佐賀市呉服元町で10年間空きビルになっていた建物が7月中旬、貸しオフィスビルとしてリニューアルオープンする。同市出身の建築家西村浩さん(49)らが4階建ての建物を改修・運営し、個人企業家などに貸し出す。テナントや共有スペースも設けて協業を促すほか、地域に開かれたビルとして屋上を開放、市民参加のイベントも開く。

 呉服元町で建築事務所兼シェアオフィスを展開する西村さんが、同市のビル所有者、不動産会社と共同出資し、ビル再生の特別目的会社を5月に設立。新たに「オン・ザ・ルーフ」と名付けて改修を進めている。

 建物は「656広場」北側の旧西沢ビル。もともと呉服店だったが、売り上げの減少などで10年前に閉鎖。市などが市街地活性化の取り組みを進める一方で、活用が課題になっていた。

 鉄筋コンクリート4階建てで延べ床面積約1500平方メートル。「なりわいを続け、常に人が行き交う場に」と、3、4階部分を小規模の個室型オフィスに改修、約12~30平方メートルの10部屋と共同トイレ、キッチン併設の共有ラウンジも設けた。

 オフィスの家賃は月3万5千~8万3千円(消費税、共益費を除く)。ITや映像、福祉関連の個人事業主など6社(人)の入居が既に決まっており、1~3階のテナントフロアにはカフェやフォトスタジオ、Tシャツのプリントショップも入る。ビルの購入・改修費は5~6年で回収する計画という。

 ビル再生のコンセプトは「ハレのまちづくり」。空洞化が伝えられる市街地ではテナントの誘致などに苦心する事業者も多い中、内装の塗装作業をイベントにして市民に参加を募った。さらに入居予定の映像技術者がビルのプロモーションビデオを制作。SNSで情報発信するなどユニークな取り組みで話題づくりを進め、夏には屋上階で花火鑑賞やビアガーデンも開く。

 県内外でまちづくりアドバイザーも務める西村さんは「古い建物でも十分活用できる。シャッターが一つ開くことで、新しい何かが生まれるという成功例を示したい」と話す。

最終更新:6/30(金) 14:52
佐賀新聞