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<バングラテロ1年>富士見出身の下平さん犠牲「声掛けられず後悔」

6/30(金) 22:26配信

埼玉新聞

 バングラデシュの首都ダッカの飲食店を武装グループが襲撃し、埼玉県富士見市の下平瑠衣さん=当時(27)=ら日本人7人が犠牲になったテロ事件から1日で1年を迎える。

 下平さんは現地で交通渋滞解消のため、インフラ整備に取り組んでいた。「途上国で力になりたい」という思いで、学生時代から研究活動や海外ボランティアにいそしんでいた。中学の恩師や友人は「1年前と何も変わらない」「頑張り屋だった」と改めて、下平さんへの思いを吐露した。

 下平さんは中学時代、県立蕨高校でテニス部に所属し、初心者ながら部長にも抜擢された。当時、顧問として指導していた県立川口北高校の加藤友作教頭は「これから先も大事な教え子。卒業後も活躍されていて、陰ながら応援していた。声を掛けていればよかったと今も後悔している」とこぼす。

 海外では依然として、テロ事件が絶えない。加藤教頭は「海外で活躍したいと思う子はほかにもいるが、テロを機に活動しづらい環境になってしまう」と危惧。その上で「彼女も信念を持って海外に向かっていたので、本人が一番望んでないことだと思う。安心して飛び立てるような環境が整ってほしい」と話した。

 東京工業大の大学院に進学し、発展途上国の教育支援に携わるほか、国連開発計画(UNDP)でインターンを経験するなど、海外での活躍を夢見ていた下平さん。「あの時から、瑠衣への思いは何も変わらない」。小中学校の同級生女性(28)は癒えない寂しさを語る。テロ事件のニュースを見るたび、つらい思いをすると言い、「もう犠牲者を出さないでほしい」と言葉少なに語った。

最終更新:6/30(金) 22:26
埼玉新聞