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【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】「海辺のリア」 名優と重なる切なき王

6/30(金) 20:05配信

沖縄タイムス

 シェイクスピアの「リア王」を簡単にまとめると、年老いた一国の王が娘たちからの愛を欲するあまり、だまされ、朽ち果てていく物語。一方「海辺のリア」は、仲代達矢演じる、かつての大スター・桑畑兆吉が認知症を患ったことで、芝居も家族も失い、朽ち果てていく物語。

 両者の共通点は娘に裏切られ、多くを失うこと。そして、かつての名声が体に染み付いて消えないこと。兆吉は認知症を機に娘から遺書を書かされた揚げ句、老人ホームへ送り込まれていた。

 映画はホームを抜け出した兆吉が海辺を歩くシーンから始まる。やがて兆吉の体にかつて演じたリア王の悲しみが宿る。海をバックに演じる迫真の「リア王」。兆吉、リア王、そして仲代達矢が一つになる。監督、共演者、スタッフ全員が仲代達矢のすごさを表現するため力を集結した1本。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇桜坂劇場で上映中

最終更新:7/7(金) 12:40
沖縄タイムス