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巨鯨GPIFのESG投資に朗報、海外の先行事例は意外に健闘

6/30(金) 7:00配信

Bloomberg

年金界のクジラと称される世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株の運用で導入を目指しているESG(環境・社会・ガバナンス)投資。環境保護などの理念を重視する企業への投資は収益が低下するとみられがちだが、海外の先行事例を調べる限り、そうでもなさそうだ。

ブルームバーグのデータによると、日本企業に特化したESG指数はまだ少ないが、世界中の企業を対象とするESG関連の運用指標は700本を超える。うちドル建てで構成銘柄が開示されている225指数の配当再投資込み収益率を、それぞれの時価総額で加重平均すると、最近3年間で年率6.6%。代表的な運用指標であるMSCI世界株価指数の5.6%を上回っている。

環境との共存や社会的責任、企業統治の体制整備を重視すべきだというESGの理念は国内外で支持を得られやすい。ただ、財務諸表のような明確で統一されたルールはなく、銘柄選定の基準などは各社各様だ。GPIFは昨秋にかけて国内株式に関するESG指数を公募し、27件の応募を得た。高橋則広理事長は1月に、対象企業数や時価総額に一定の規模がある指数が望ましいと発言。早ければ3月末までに選定作業を終えたいと述べており、その動向が注目を集めている。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのサスティナビリティ指数グローバル・ヘッド、マルティナ・マクファーソン氏は「長期的な価値創造を目標とするなら、良いガバナンスは重要だ」と指摘。北欧の投資家が欧州における社会的責任投資の先駆者となったように、GPIFによるESG投資の推進はアジア・太平洋地域で「欠くことのできない先例となるだろう」と述べた。

GPIFはESG指数の公募に当たり、巨額の資産をさまざまな資産に分散投資する投資家にとって「環境や社会の問題などネガティブな外部性を最小化することで長期的なリターンの最大化を目指すのは合理的だ」と説明。ESG要素の考慮によるリスク低減効果は、投資期間が長期にわたるほどリスク調整後のリターンを改善する意義が大きいと指摘した。

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最終更新:6/30(金) 14:07
Bloomberg