ここから本文です

WBC激闘の裏側 侍ジャパンドキュメンタリー映画が公開

7/1(土) 14:00配信

デイリースポーツ

 あの時の記憶が鮮明によみがえった。スポーツテレビ局「J SPORTS」が開局20周年記念として制作した、今年3月に開催された第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のドキュメンタリー映画「あの日、侍がいたグラウンド」。先日、そのメディア向け試写会が、都内で行われた。

 私も今回のWBCでは担当として、2月の宮崎で行われた代表合宿から帯同してきた。だが、同社のエグゼクティブプロデューサーで本作の監督を務めた三木慎太郎氏(50)が専属カメラマンとして密着した映像は、私たちが目にできなかった侍の素顔が映されている。

 「みんな真剣に準備もしていましたし、プレッシャーの中でひたむきにやっている姿が描かれているところもあります」と三木氏。確かに今作では、試合が進むにつれて高まる緊張感が、当事者のように伝わってくる。同時に、印象に残ったのは選手たちの表情だ。

 劇中、4番を務めたDeNA・筒香は、開幕戦となった3月7日のキューバ戦でカメラに向かい「こういうところで(野球を)やるのは楽しいですね」と笑顔を向けていた。

 DeNAでも主軸を、そして主将を務める筒香。責任感が強いだけに、勝負の中で率直に野球の楽しさを表現することは珍しい。国際舞台には負けられない緊張案とともに、選手として最高峰の舞台で戦える喜びがあるのだと再認識した。

 真剣に戦うからこその悲哀もある。強化合宿中に故障からチーム離脱した楽天・嶋の涙。ドジャースタジアムでの準決勝で最後の打者となったソフトバンク・松田が試合後のベンチで見せる表情-。

 取材者としてカメラを回す三木氏も「最初は一歩引いていたんですけど。(2次リーグ初戦の)オランダ戦は途中経過も飛んでしまうほど入り込んでしまった」という。日本代表の世界には、そうした魅力があるのだ。

 公開期間は7月1日からの1週間(入場料1800円均一)。北海道、東京、名古屋、大阪、広島、福岡など全国主要都市10館で上映される(劇場の詳細は公式サイトwww.jsports.co.jpで)。

 上映期間は短いが、個人的には将来を担う子供たちに劇場へ足を運んでもらいたい。甲子園を目指し、プロを目指し、その先に一流のプロが野球少年に戻る舞台がある。楽しさだけではないだろうが、そういう世界を体感して欲しいからだ。

 今後への代表の課題は少なくない。ただ、『本物』は大人の打算をも超えていく。「ツンケンしているスターたちかなというイメージがあるんですけど、チームワークというか、和というか。一致団結していたというのを感じました」と三木氏は言う。百聞は一見にしかず-だ。(デイリースポーツ・中田康博)