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稀勢の里「あーっ」古傷の左腕を強打…名古屋場所に不安

7/2(日) 6:03配信

スポーツ報知

 左上腕部などのけがで先場所11日目に休場した横綱・稀勢の里(30)=田子ノ浦=が1日、故障再発の危機に見舞われた。名古屋市天白区で二所ノ関一門の連合稽古に参加。小結・嘉風(35)=尾車=との三番稽古で前のめりに転倒。土俵に落ちて左腕を強打し、稽古を切り上げた。名古屋場所(9日初日・愛知県体育館)を控え、仕上げの1週間でまさかのアクシデント。完全復活に黄信号がともった。

 前のめりに倒れた稀勢の里は「あーっ!」とうめいた。回り込む嘉風についていけず足を滑らせた。右肘から落ちた反動で左腕も強打。痛みに顔をしかめた。もう一番取ろうと土俵に上がったが、立ち合いでぶつかった瞬間、今度は「あっ!」と悲鳴を上げた。自ら後退するように土俵を割って出ると、稽古を終わらせた。本場所の対戦では15勝5敗の相手に、まさかの2勝9敗。「まあ、こんなものでしょう。少しのことですけど、歯車が狂ってくるとよくない」。不調は否定しなかったが、転倒後の患部の状態には無言を貫いた。

 胸を合わせた嘉風は「横綱のことは横綱に聞いてください」と印象を語らなかった。番付が下で論評は失礼に当たるが、調子がいいとも言えない苦しい立場。一方、稽古を見守った相撲解説者の北の富士勝昭氏(75)は「痛っ!て言っていた。本音が出たんだろう。また(同じけがを)やったんじゃないか。心配だな」と眉をひそめた。二所ノ関親方(元大関・若嶋津)も「徐々に稽古はできているけど…。今日の最後がどうかだね」と再発を心配した。

 稀勢の里は激しく、豊富な稽古で調子を上げるタイプ。初日に向け、残り1週間は追い込みの時期。再発で稽古の質、量で満足な稽古ができなければ、優勝はおろか11日目で欠場した夏場所からの完全復活さえ厳しい。稽古後、熱田神宮奉納土俵入りを終えて「(土俵入りが)いいきっかけになってくれれば」と願った横綱。初日前日の土俵祭りまで準備期間は残り1週間。手負いの横綱から目が離せなくなってきた。(秦 雄太郎)

 ◆稀勢の里の負傷

 ▽3月24日 春場所13日目、土俵下に転落して左上腕部を負傷。2敗後、千秋楽に強行出場。本割、決定戦で照ノ富士を下し、2場所連続優勝。

 ▽同29日 左上腕部の筋損傷で加療1か月の診断。

 ▽4月3日 日本相撲協会が診断書を公表。新たに左大胸筋損傷が判明。

 ▽5月11日 師匠が夏場所の出場を明言。

 ▽同14日 夏場所初日、嘉風に黒星。横綱審議委員会の元委員長でスポーツ整形の権威、守屋秀繁・千葉大名誉教授は「(筋肉が)完全にくっついて力が出せることを『治る』と表現するなら2か月かかる」と指摘。

 ▽同23日 夏場所10日目、琴奨菊に4敗目。24日に「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1か月の通院加療を要する」との診断書を提出し休場。

 ▽6月29日 名古屋市内の病院を慰問。「初日には間に合う」と出場を明言。

最終更新:7/2(日) 7:45
スポーツ報知