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東電元会長ら無罪主張 原発事故強制起訴初公判

7/1(土) 9:39配信

福島民報

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(77)ら東電旧経営陣3被告の初公判は30日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。3被告は事故について謝罪した上で「大津波を予見するのは不可能だった」と無罪を主張し、検察官役指定弁護士と全面的に争う姿勢を見せた。
 起訴されたのは勝俣元会長のほか、武黒一郎(71)、武藤栄(67)の両元副社長で、原発事故の責任を刑事裁判で審理するのは初めて。事故を引き起こした津波襲来の危険性を具体的に予見し、事故の回避が可能だったかどうかが最大の争点だ。
 裁判では、2008(平成20)年3月に東電子会社がまとめた津波予測データがポイントになる。「マグニチュード(M)8・2クラスの地震が本県沖で起きた場合、原発敷地南側に最大15・7メートルの津波が襲う」とする試算が出ていた。
 冒頭陳述で指定弁護士は、子会社が「原子炉建屋がある高さ10メートルの敷地上に10メートルの防潮堤を設置すべきだ」との具体的対策を盛り込んだ検討結果を東電に報告していたと指摘。「3人が試算を軽視し情報収集と共有を怠り、措置の必要性を認識していなかったなら、明らかに注意義務違反だ」と論じた。
 一方、3被告の弁護側は「津波予測データはあくまでも試算であって、予見可能性を生じさせるだけの信頼性はない」などと述べ、巨大津波については「想定外」との見解を繰り返した。
 起訴状などによると、勝俣元会長ら3被告は大津波を予測できたのに原発の運転を継続させた。2011年3月11日の東日本大震災発生後、原子炉建屋の水素爆発で自衛官ら13人にけがを負わせたほか、双葉病院(大熊町)の入院患者に長時間の避難を余儀なくさせるなどして44人を死亡させたとしている。

福島民報社

最終更新:7/1(土) 9:48
福島民報